『俺』という【学生】と『僕』っていう【奴隷】‐出会い‐｜二次創作ＳＳ広場

‐ふと気づいた時『俺』が居たのは暗い暗い…底が見えないほどの暗い空間だった‐

≪!!…っつ―――～…うぁ?…此処、はっ…あぐっΣ……つぅ、ぐっ…≫(激痛に頭を押さえ屈みこむ

‐まだ夢の中で意識がふわふわしていて現状を掴めない『俺』の頭に鈍い痛みが生じた‐
‐しばらくすると頭痛は収まったが今度は幼い、どこか聞き覚えのある子供の声が聞こえた‐

≪…この、声は…昔、どこかで?…どこだ…どこから聞こえるんだ…?≫(声を手繰るように辿って歩いていく

‐どこまでも広がって行っているような途方もない広さの空間を声だけを頼りに歩いていく‐
‐すると、僅かに聞こえていた子供の声が次第にはっきりと聞こえるようになっていった‐

≪…泣いている、のか…この泣き方は…≫(聞こえてきた声には嗚咽と咳き込む音が混じっている事に気づく

「…ぁ…、暗ぃ、…いょ…さ、い……ねぇ…誰か、誰か居ないの…？…さびしぃよ…怖いよ…誰かぁ…」

‐次第に目が慣れてきた『俺』が見たものは…‐

≪あれは…昔の…過去の俺…?…だが何故こんな事に…≫(首を傾げる

‐昔の幼い『俺』だった。よく見覚えのある暗くて広い何もない部屋‐
‐こんなに広いのに部屋主は『俺』だけだった。だから一人を感じたくないからずっと隅っこで震えてた‐

≪…この状況で俺はどうすれば…≫(何かアクションを起こしてもよいのか迷う

‐一人で泣きじゃくっていた昔の『俺』がこちらに気づきびくっとした後、恐る恐る声をかけてきた‐

「ぁえ??…びくっΣ……あっ、あのっ…あなたも「すれいゔ」ですか…？」

≪すれいゔ？…あぁ、slaveの事か……違うな、俺は奴隷じゃない。≫

‐そんな事を問われるとは思っていなかったが、自分の過去を想えば納得がいった‐
‐ただ、それを認識すれは認識するほど昔の自分がどうだったのかをありありを見せつけられる様だった‐

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月夜見桜弥

4: Re: 『俺』という【学生】と『僕』っていう【奴隷】‐出会… 2014-11-01 / 18:17:19: «……っつ!!»

-真っ白な光に包まれたと思った瞬間深層から引き上げられるように飛び起きた-
-何気なく頬へ触れた指先に冷たい感触がした。-

«ぁ…此処、は………泣いて…？»

-何故、とは思わなかった-
-苦しい胸焼けの様な感覚と頭が強い痛みを訴えてきたからだ-

«あー…苦し…»

-先ほどまで繊細に思えていた夢の記憶が朧げになっていく-
-それにつられてなのか分からないが何故か涙があふれて来て俺は再びベットへ倒れこんだ-

«…ごめん»

-もう何だかも覚えてないがこれだけは覚えていた-

«ごめん…大丈夫、幸せ。幸せだから…ごめん»

-視界が真っ白に染まる前に少しだけ見えてた。『僕』の、寂しそうな涙目の声、でも、精一杯笑う笑顔-

«ちゃんと幸せになる。から大丈夫…»

-大丈夫って言ったんだ。だから幸せになる。『俺』の為にも『僕』の為にも-

«また今度»

-さようならじゃない。だってあいつも俺だもの-

「またこーんどっ」

-俺の声よりも幼い少女とも少年ともつかない声が聞こえた気がした-

«あはは、やっぱり涙目じゃんか»

「大じょーぶ、大丈夫だよぅ」

-また今度、また来世-

-いつまでも俺は俺で居続ける-

-過去の俺がいつみても幸せだって思ってくれるように-

-FIN-

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