古々しくも手入れの行き届いた空手道場。
人数こそ少ないものの猛者揃いの盆倉門下たちが日々汗を流している。
土日には子供空手教室なんかも行っていたりする。
時折態度のでかい居候がやって来て指導をしたりしなかったり。
ふむ、ではお邪魔をさせて貰おう
(楓に誘われる様にゆっくりと道場に入りながらその場に正座をする)
いや、何、この道場から良き声が聞こえてきてな
良き声を発すると言う事は良き指導者がいると言う事である
余は道場破りに来た訳では無くこの道場の稽古の様子を見学しに来ただけであるぞ
何、見学である。汝等の戦いぶりを見て余もそれに倣い自らの心を体を鍛える為であるぞ
ただ手合せや戦うだけでなく「手合せを見る」と言う事も修業も内に入るのである
汝等の動きを見て、次の動きを読み、先の先、そして後の先、それらの要素を複合的に念頭に置いて動く事
日常生活に置いても十分役立つ要素であるからな、なので余は道場破りと言う訳でなく見学に訪れた訳であるぞ(そう言って薄く笑って見せる)