古々しくも手入れの行き届いた空手道場。
人数こそ少ないものの猛者揃いの盆倉門下たちが日々汗を流している。
土日には子供空手教室なんかも行っていたりする。
時折態度のでかい居候がやって来て指導をしたりしなかったり。
(気配に気が付き)
ん? おお、冴来じゃん。
そんな所に突っ立ってねぇでナカ入れば。
オラ門弟共、珍しい女子の来客だ丁重にもてなせや!
(そうどやすと慌ただしくモブ門弟達が冷えた麦茶と座布団を持ってくる)
(試合、と聞いて同じく口の端を吊り上げ)
へェ、そうかい。
まあテメーはかなり練り上げてる人種だろうし、
始めから多少本気で戦るのもよさそうだ。
(そのままズカズカと相手に歩み寄り)
……で、既に「俺の間合い」だが。どうするよ?
(もう始まっている、とばかりに濃密な殺気を滲ませる)