遊園地の敷地内にある野外音楽堂
石造りのステージでは嘗て手品やお芝居、ヒーローショーが演じられていたが、今は演者も観客もなく静まり返っている
ステージには壊れたピアノが一台打ち捨てられている……
私は…私には、信じる勇気がないの。
自分も他人も、なにもかもが信じられない…。
進むべき道は既に示して貰っているのに
私は未だに迷ってばかり…。
このままでは、こんな私に誰もが飽きれて
私はいつか独りぼっちに…。
そうはなりたく無いと、願っているのに…。
(恐る恐る手を伸ばそうとするが
躊躇った様子で力なくその手を下ろし)
…私の苦しみは、私のもので
誰にも背負わせては、いけないの…。
本来ならこんな姿も、誰にも見せてはいけないものなのに…。
貴方は大切な友達で、
だからこそ貴方には、背負わせられない…。
貴方を傷つけたくないの…。
差し出された手を取るだけの勇気も、
今の私は持っていない…。
ごめんなさい、少しだけ時間を頂戴…。