煌びやかな電飾と軽快なメロディも絶えて久しく、静かに朽ち果てていく回転木馬
ペンキの剥げた鬣と胴体が在りし日の雄姿を物語る
廻らない木馬に跨り物思いに暮れるもの、色褪せた過去を偲ぶものが気まぐれに訪れるというが……
■ミニゲーム
サイコロの右+左の目によって不思議な現象が起こります
2 幻想的な音楽を奏で木馬が廻りだす
3 どこからかふわふわと風船が飛んでくる
4 近くの地面に落し物を発見。綺麗な木綿のハンカチーフのようだ
5 木馬の鬣に引っかかった落し物を発見。銀のロケットペンダントのようだ。中にはセピアの色の古ぼけた写真が入ってる……(中身の写真はご自由に設定どうぞ)
6 木馬の鬣に鳥の巣を発見。綺麗な青い卵がある
7 木馬の鬣に鳥の巣を発見。愛くるしい雛が囀っている
8 子供時代の哀しい体験が甦る
9 子供時代の楽しい体験が甦る
10 神出鬼没の道化に握手を求められる
11 突然ロマンチックなポエムを口走りたくなる
12 突然好きな人に会いたくてたまらなくなる
ふふ、こうしてるとおじさまにつれていかれたパリの移動遊園地を思い出しちゃう
おじさまが手綱をとっていっしょに回転木馬に乗ったの
楽しかった!
おじさま、元気にしてるかしら?
ここはどこかしら
迷子になっちゃった(きょろきょろ)
あらお馬さんだわ!
これに腰掛けて待っていたら王子様がむかえにきてくれるかしら
……あの頃は楽しかった
彼がいて僕がいて……弟と無邪気に笑い合えたあの頃、幸福な少年時代……
……今はすべて失ってしまった
ふう……ここまで歩いてくるのも疲れる
僕も年かな(白い木馬に腰掛け休憩をとる)
おっ、鳥の雛とかこんなに間近で見ることってそうそうないっすよね。
(黒色の携帯電話を取り出すと、鳥の雛の写真を数枚撮り始める)
へ―…"廃墟になった遊園地"なんてものが寝子島に存在してたんすねぇ…。
(キョロキョロと辺りを見回しながら)
……今更ですね。もうあそこには何も無い。
(ゆるゆるとかぶりを振る)
………。
(ぼんやりと木馬の目を見つめている)
雛か……(なんとなく煙草を口から外し踏み消す)
暇だな……
おや、木馬の上に卵が。
しかも青い卵ですね。
なんとなく、ここに来てしまいますね
おおー?こんなところに鳥の巣がー……
(覗き込んで)卵があるねー。青い卵……珍しいんだよー
暖めたら何か出るかなー?
なーんか、物悲しいよねー
(写真を撮りながら)
故郷の森で迷子になった時は神父様がむかえにきてくださいましたわね
わたくしがどこにいても必ず見つけてくださって……
ふたりで手をつなぎ唄を唄って帰りました
……グレーテルを称するにはいささか薹が立ちすぎてしまいましたけど
道に迷ってしまいましたわ
ヘンゼルとグレーテルのようにパン屑を落としてくるべきでしたか……
それでは小鳥さんに食べられてしまいますわね
……つまらないことを思い出した
ここにくると落ち着く。
…?
(ロケットペンダントに気がつき
そっと手に取り中身を見る)
…家族、写真…?
…お父さん、と…お母さん、と…女の子…?
…幸せそう…。
…いい写真、だけど…今は…見たくない、な…。
(ぱちんと閉じて元の場所に戻す
…動いて…欲しいな…。
…私を、パーティに…連れて、行って…?
(木馬の首にすがる様に腕を回し、抱きつく