何度も何度も嘘をつく。
「世界は私の為にある。」
「何処だって私には楽園だから。」
そうでないことなどわかっている。
本当にそうであるならば
私の心は今よりもっと安らかであるはずなのだから。
「妹がいるから寂しくない。」
本当は、両親に会いたくて
会いたくて仕方が無い。
妹だけではまだ足りない。
冷たくされれば胸が痛い。
もっともっと大勢の、沢山の人達に愛されたい。
「それでも大丈夫。
私は強い子なのだから。」
幾つも幾つも嘘をつく。
甘いミルフィーユの様に。
薄いパイ生地の様に。
どちらが本当か分からなく成る程に
何度も何度も、幾つも幾つも。
そうやって私は、私の弱い心を護るの。