カウンターの上にぽつんと置かれた小さな箱。
どうやら、見たい映画をリクエストするため、もしくは映画批評をするために置かれているらしい。
入れたメモ帳の切れ端は店主が目を通し、コメントなどを添えてカウンターにセロハンテープで張り付ける。
面倒面倒言う割に、箱は手作りらしい。
【モノクロ映画は上映しているが、基本的にパブリックドメインになっているので料金自体は取らない。もしくは格安。人気があるなら活弁士を呼んで上映してみたいと考えてる。特にハンフリー・ボガード出演作品は積極的に上映するつもりだ】
【OK。リクエスト承ったぜ。ついでにマイケル・マンの映画やフィルム・ノワールも上映するからそっちもよろしく】
任侠映画が見てえ。香港ノワールでもいい。
ドンパチと熱い友情が詰まった男臭えのが見たい気分だ
モノクロ映画を上映していただく事は可能でしょうか。
又、既に上映しているという事でしたら
次の上映日時を教えて頂けますと幸いに思います。
(星型のメモ用紙に丁寧な字で書かれている
【一身上の都合】
(よく見ると【怖いから】と書いた後、一回消して、その上にまた文字を書いたのが分かる。筆圧が強いらしい)
ねぇねぇ、此処ではどうして
ホラー映画は上映しないのかしら?
此れからの時期、そういったものも必要でしょう?