このトピでは寝子高生たちが実際に体験した、または人から聞いた怖い話、不思議な話を語ります。
百話語り終えた時にはたして何が起こるのか、それはご自身の目で確かめてください。
寝子高OBOGの社会人の方々、その他オカルトマニアの飛び入り参加も歓迎です。
よし、それじゃ次は俺が話そうか
俺はこの話を旧市街に住んでる小学生から聞いたんだがな…
寝不足で学校に来た時とか、昼飯を食ったすぐ後の5限目とか、
授業中についウトウトしてしまう時ってあるよな?
そういう時に、突然誰かに足を引っ張られる事があるらしいんだ
当然、やられた奴は驚いて飛び起きる
けどまぁ、大抵のヤツは夢現のうちの出来事なんで、気のせいだと思ってしまう
ほら、寝てる時にビクッっと体が動いて起きてしまうって体験、あるだろ?
ああいうのってさ、端から見てるとすごい面白いよな!
…って今はその話はいいか
中には、おかしいと思って机の下を覗き込んで確かめようとする奴もいる
…よっぽど反応が早ければ、見る事ができるらしいぜ
机の下の床から伸びる、半透明の長い腕をさ
驚いて固まってると、腕はすぐに床下に引っ込んでそれっきり姿を見せる事はない
床を触ってみても、いつもと変わらぬ固い床
手が出てくるような隙間なんて、どこにもなかった…って話だ
一体誰の手なんだろう? どうして足を引っ張るんだろうな
人が飛び起きるのを見て面白がっているんだ、と言うヤツもいるし、
いや、わざわざ寝ている奴を起こしてくれる良い奴なんだ、って言ってるヤツもいる
そこらへん、ハッキリした事はわからないらしい
ま、噂なんてそんなものさ
…でも、俺は思うんだ
寝てる時ってのは、言ってみれば人間が一番無防備な時って事だよな
足を引っ張られたら目を覚ますヤツがそりゃ多いだろうけど
…もしも寝てる奴が起きなかったら、ソイツはどこまで引っ張られていってしまうんだろうな?
( http://rakkami.com/scenario/reaction/155?p=3 )
まずは俺からだ
昔 寝子高に一人の女生徒がいた
病気がちで医者に激しい運動を禁じられ、内気で友達もいない彼女の唯一の慰めは読書
中でも推理小説を好んでいた
ある日、彼女は図書室で一冊の本を借りる
その本は学校で起きた殺人事件を主人公の探偵が解決する話
彼女は徹夜で本にのめりこんだが、翌日から急激に体調が悪化
やがてページをめくるのさえ辛い状態となる
それでもあと1ページもう1ページと本にかじりついていたが、返却期限が翌日に迫った日、学校で倒れそのまま入院する
あと1ページ、次のページで犯人がわかる
しかし……
最期の力を振り絞ってページを開くと同時に本の上に突っ伏し喀血、息を引き取った
彼女の死後本は図書室に戻され書架の片隅に収まったが……
その日から妙な噂が流れだした
図書室に赤い本がある
その本を手に取った人間は、何故かその本を最後まで読みきる事ができない
どうしても
先日、いつものように図書室を訪ねた俺は、書架の隅に一冊の推理小説を発見した
面白そうだったので手に取り、時間を忘れて読み進めたが……
どうも様子がおかしい
終盤にさしかかったあたりから異常を感じ始め、遂に探偵が並み居る容疑者候補の中から犯人を指摘するクライマックスに辿り着いたが……
ページが開かない
紙同士が接着されてる
悪質な悪戯?
過湿による自然現象?
これでは犯人がわからずじまい、事件の真相も物語の結末も永遠に闇の中
諦める?
否 ここまで読み進んでおいてそれはない
俺は慎重に紙に手をかけ、ぺりぺりと引き剥がしていったが……
一面の赤
割き開いたページ一面が血糊で真っ赤に塗り潰されている
それは延々何ページにも渡って続き、犯人の名前を執拗に塗り潰している
さすがの俺も気付いた
ああ、これは喀血の跡だ
入院した女生徒が最後に吐いた血の色だ
しかしそれにしては妙だ
血の色が鮮やかすぎる
何年も経過した血の色がこんなに鮮やかに赤いものか?乾いた血に紙が貼り付く程の粘度があるか?そもそも女生徒の末期の血に汚れた本を図書室が回収するものだろうか……
奇跡的に血糊に汚れてない活字が何個かある
それを拾い読みして納得した
【教エナイ ヨ】
結末を見届けられないのは残念だったが、あれでよかったと思っている
もし最後まで読みきっていたら……俺は今、ここにいなかったかもな