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「マスター。あたしはサイドカーとつまみを適当に頼む」
「マスター、こっちにはハイボールとナッツをくれ」
注文を済ませ、
鳳翔 皐月
は早速煙草に火を点けた。軽く煙を吸い込んでから、友人である
ライレエ・アーレンス
の話に耳を傾けるべく体を僅かにライレエの方へ向ける。
「最近、館に新しい美術品が入ったんだ。名前は『首のない女の肖像画』。中世ヨーロッパの作品で、首のない一人の女が描かれた肖像画だ」
出されたカクテルグラスを手にし、乾杯代わりに掲げてからライレエは静かにカクテルを口に運ぶ。バーテンダーの力量が分かるというカクテルだが、この店のものは合格点といったところだろう。
グラスを置くと、携帯電話を取り出して肖像画の写真を皐月に見せる。
画面の中には一人の女性の姿。首から上が無いためか、妙な不気味さがある。
「……中世つってもかなり幅があるからな。つっても、これはどっかで見たことあるな。ヘントの祭壇画のイヴっぽくも見えるな。大方どっかで影響受けた画家の一人の絵なのかもな」
煙草を指に挟んで画面を覗き込みながら言い、皐月はハイボールで喉を潤した。
つまみにと置かれたナッツを一つ口に運び、ライレエは友人の言葉に頷く。
「さっちんがそう言うのならそうかもしれねぇな。……この絵が厄介でさ、間違った顔を描くとその肖像画と同じ女に滅多刺しにされる夢を見る。で、画家を発狂死させることで有名になった呪われた絵だ」
皐月がそっと、肖像画の写真が表示された携帯をライレエの方へ押しやった。
その様子をライレエが見逃すはずもない。瞳に可笑しげな色を浮かべ、零れそうになった笑い声を噛み殺してカクテルを飲む。
「なんで、そんな絵が出来たんだ?」
ライレエの話は薄気味悪いものの、美術品に関する話ということで興味はあるのだろう。皐月は肖像画の成り立ちを問い掛ける。
伸びた煙草の灰を灰皿に落とし、平静を保つために深く煙を吸い込んだ。
「ん、その絵が出来た過程? 恋人を失った一人の男が、恋人を描こうとしたが顔だけ思い出せなくなって絶望して自殺した。ありがちな悲劇だよ」
描かれることのなかった女の顔を指差しながら、よくある事だとでも言いたげに、ライレエは成り立ちを口にする。
軽く肩を竦め、友人を眺めるとその友人はグラスを空にしている最中だった。
最後の一滴まで飲み干し、皐月は不満げな顔でライレエを睨みつける。
「……おい、ライ。私がその手の話苦手なの知ってるよな? いや絵には興味あるが私はいかないからな、いくとしても夜は絶対行かないからな。ああ、マスター、スコッチのストレートをダブルでくれ。チェイサーもな」
空になったグラスを掲げて注文をする。ライレエは押し殺せなくなった笑いを零しながら、煙草に火を点けた。
ゆっくり煙を吸い込むと、慣れ親しんだ味が口内に広がる。
携帯をしまうと、足を組みなおして皐月に向き直る。
その表情にはまだ可笑しげな色が浮かんでいたが、皐月はもう文句を口にすることがなかった。
「いや、悪い悪い。美術品の話だから、さっちんが好きだろうと思ってな」
笑いながらライレエはグラスを傾ける。皐月も、出されたウィスキーグラスを傾けて軽く肩を竦めた。
酒の席、それも気心の知れた友人同士である。皐月が本気で不満を抱いているわけではないことは、二人の間でもちろん理解出来ている。
沈黙が一瞬だけ、二人の間を流れた。酒と煙草の味を楽しむだけの、僅かな沈黙。どちらからともなく口を噤み、その一瞬を楽しむ。
「そういえば、さっちんのほうは例の旦那とどうなってんだ?」
沈黙の後、最初に口を開いたのはライレエだった。
唐突な問いに皐月は目を瞬かせ、頬を僅かに緩めながら答える。
「あとは指輪貰って、だな。少なくとも破局はしてねーから安心しろ」
「そりゃ良かった。早く愛しい旦那様から指輪がもらえればいいな」
揶揄混じりの言葉だが、その裏には確かに友人の幸せを願う気持ちが込められていた。
皐月もライレエの気持ちを感じ取ったのだろう、頷いて返事代わりに笑顔を向ける。
「……そうだ。髪を伸ばそうか迷ってるんだが、伸ばした方が良いと思うか?」
皐月が顔を俯けると寝ぐせで跳ねた黒髪が視界に入り、ふとライレエに聞いてみる。
問いを投げられ、ライレエは空になったグラスを置くと皐月の顔をじっと見つめた。
「……そうだな、短髪よりも長髪が似合いそうな顔だちしてるからなぁ。伸ばしてみてもいいんじゃねぇか? 結構色っぽくなったりするんじゃねぇの?」
ライレエの言葉に、皐月は髪の指先で摘む。髪を伸ばすのは中学の時以来だ。自分ではぴんとこないが、彼女が言うのなら確かなのだろうと考えながら。
「ん、そうか。まあ一回伸ばしてみるかな。相手の反応次第だが」
「まぁ短くても長くてもいい女だってことは変わりねぇしな」
お代わりを注文し、ライレエは皐月に向けて笑いかける。
皐月も、つられたように笑みを返した。
一人で飲むのも悪くないが、こうして友人と杯を交わすのも悪くない。いつもより煙草が美味く感じられるのは、けして気のせいではないだろう。
店主から差し出されたグラスを受け取り、ライレエは再び軽くグラスを掲げた。
「よし、もう一回乾杯するか。そうだな……さっちんの幸せに乾杯、ってことで」
「なんだそれ。まあいいや……乾杯」
グラスを軽く合わせると、澄んだ音が響いた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
青崎灰次
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月25日
参加申し込みの期限
2015年04月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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