【体育祭】フリーダム！ネココー流応援合戦～黒猫組サイド｜リアクション

【体育祭】フリーダム！ネココー流応援合戦～黒猫組サイド

「―――気持ちいいですっ！」
　しばしの沈黙のあと、口火を切ったのは優菜だった。
「応援合戦、本当に参加して良かったです！」
　優菜のおかげで、ほかのメンバーも我に返る。
「そうです……やってみて、良かったですね」
　肩で息をしているエリューシアが、微笑んで言った。
「……皆さん、お疲れ様でした。貴重な体験をさせていただきました、感謝します」
　実直な感じで、月が皆に向かって一礼する。リレーもチアリーディングもやり遂げることができ、静かな余韻に浸っているのだ。

「……あれ？」
　ふと、何かに気づいてマリナは声を上げる。
「キグルミは、どこ行ったのでしょうネ……」

　大人数でのパフォーマンスのため、採点も少し時間がかかったが、審査員はやがて話し合いを終えてマイクを手にとった。
「チアリーダーの皆さん、最高の演技をありがとう！感動で久しぶりに鳥肌が立ちました。本当にお疲れ様でした！」
　と、興奮を隠しきれないまゆ先生。
「虹というテーマを生かした衣装と小道具、素敵だったわ！女の子になりきった二人もとっても綺麗！」
　フジコ先生もテンションが高くなっている。
「演技は短い時間でしたが、きっとそれまでに長い長い練習を積んだことでしょう。改めて、心からの喝采を送ります。ルール上1100点満点になるのが心苦しいですが……点数を発表します。白猫組に、1044点！」

　会場が再び拍手に包まれた。
　これで、応援合戦での黒猫組の点数は合計995点、対する白猫組は1130点。大人数での出し物を成功させた白猫組が上回った。
　満場の拍手に、11人の白猫たちは笑顔で手を振りながら退場していった。

　さて、その頃―――
　校舎内の、一般人立ち入り禁止になっている一角で、キグルミを脱いだ月詠が一人休憩していた。結局最後まで正体を見せないまま去ったわけだが……
「中の人などいない」
　月詠のつぶやきとともに、キグルミの正体は謎となった。

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