【体育祭】ネココー式借り物競争　～一般参加サイド｜リアクション

【体育祭】ネココー式借り物競争　～一般参加サイド

【戦い終わって……】

「白猫組はこの勝利で勢いに乗りながら、しかし気を抜かずに、最後まで突き進んでもらいたい！　黒猫組にはこの悔しさをバネにして、一層の奮起と、ここからの巻き返しに期待する！　以上で、『ネココー式借り物競走』を終了する……この私、『借り物大魔神』の役割も、ここまでというわけだ。ふふ、楽しんでもらえたかな？　では、さらばだ！　フハハハハー！」
　という大魔神さんの挨拶で、借り物競走は終了となりましたけれど……まだまだ、体育祭はこれから！　熱い競技は、たくさん残っているのです。
　白猫組もまだまだ油断はできませんし、黒猫組だって、最後まで諦める理由など無いのです。
　頑張れ、白猫組！！　負けるな、黒猫組！！

　……とはいえ次の競技まで、出場者たちは、ひとまず休憩タイム。
「みんな、お疲れさまなの。オルゴールの音色で、みんなを癒すの！」
　橘明里が、大切そうに抱えたオルゴールの蓋を再びぱかっと開きますと、たちまちみんなを包み込む、素敵なメロディ。
　塔尾松生はその優しい音色に、うっとりと目を細めながら、
「……はむっ。うーん、至福の一時」
　まだあたたかいドーナツを、一口。優しい甘さに、ほっこりと頬を緩めました。
　傍らでは桃川圭花、屋敷野梢が、出場者で無いにも関わらず協力してくれた人々へ、感謝の言葉を伝えています。
「ご協力ありがと、小さな運転手さん！　楽しかった？　そう、良かった！」
「貴重な人形をお借りして、壊しちゃったら大変ですしねー。結果はともかく、助かりましたー！」
　圭花の相棒となった女の子、梢の借り物の代役を務めた少年も、何だかんだでこうして関われたことが嬉しかったのか、明るい笑顔を浮かべました。
　黒依アリーセも、胸元にきゅっと抱いたドーナツの包み、まだあたたかいそのぬくもりを感じながら、
「後で、軽音部の皆にも分けてあげないとね。ふふ」
　にこりと微笑。
「お二人とも、なかなかメイド姿が堂に入っておりますね。お見事でございます」
　本職のメイドさん、檜扇唱華のそんな言葉には、
「あら本当？　ありがと♪」
「喜んで良いのかなーこれ」
　コスプレ主婦、伊藤恵美は実に満足げ。新井すばるちゃんは、ちょっぴり苦々しく笑います。
「僕の勇姿、きっと見ていてくれたはずですよ！　さっそく感想を聞きに行くですよ！」
　きょろきょろとあたりを見回し、お目当ての人を見つけたのか、しゅたたたっと走っていく北玄。
　相も変わらず猫コス姿の八神修は、こうして走り切り、皆一様に爽やかな笑顔を浮かべる出場者たちを眺めながら、
「こうして体育祭が盛り上がってくれるのは、体育祭実行委員会の一員として、嬉しいものだな。なあ、パトラ？」
　にゃーん。見上げた子猫の頭を、くりくりと優しく撫でてやりました。

　さて、最後に。
（うーん、おかしいな……）
　ここに、短い腕を組み、うーんと首を捻っている人物……着ぐるみがおりました。そう、役割を終えた、借り物大魔神さんです。
（すぐにバレてしまうと思っていたのに、誰にも声をかけられなかったなあ……もしかして、誰にも気付かれていないとか？　い、いや。ははは、そんなまさか。はははは）
　確かに、生徒たちを盛り上げようとするあまり、コスプレに少々気合が入りすぎてしまったかな……なんて思いも、ちょっとばかりありまして。
　悲しい考えに、着ぐるみヘッドの中、ふう。と深いため息を吐き出した、借り物大魔神……の、中の人。
　と、そこへ、
「うわぁ、やっぱり可愛いねぇー！」
　ゆるゆる和んで、にぱーっと笑顔。きらきらと瞳を輝かせる、曖浜瑠樹くん。
　とてとてとやってきますと、ぽふっ！　と、大魔神のぽっこりしたお腹へ抱きつきました。
「ねえ、借り物大魔神さんー。一緒に写真、撮らせてー！」
「え……ええ？　っと、こほん。う、うむ！　良かろう」
　何だか大魔神さんにも、ファンが出来ていたようです。
　瑠樹の叔父さんがカメラを構えると、揃って、パシャリ！
「わぁい、ありがとうー！」
「お安い御用だとも。フハハハハ」
　無邪気な瑠樹くんとにぎにぎ、握手を交わし、イイ声で笑った大魔神へ。
「……お疲れ、様。良い競技、だった……よ」
　志波拓郎が差し出したのは、彼が幾つか余分に買っておいた、出来たてドーナツの一つ。
「食べる……か？」
「あ、ああ、うむ。頂こう。感謝するぞ、フハハハハ……」
　受け取ったドーナツの、ほこほこほっこりな、あたたかさ。
（……まあ、良いか。こんなに楽しんでもらえたなら）
　先ほどまでのちょっぴり切ないキモチも、すっかりどこかへ吹き飛んでしまったようで。
　借り物大魔神は、あの魅惑のヴォイスで再び、フハハハハ！　と、重低音の高笑いを響かせるのでした。

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あとがき

担当マスター：墨谷幽
ファンレターはマスターページから！

　墨谷幽です。『ネココー式借り物競走』の、リアクションをお届けいたします～。

　体育祭、楽しんでますか！！
　墨谷がお送りしたのは、なかなかにハードな借り物競走でありました。現実にこんなことしたら、諸々大変なことになってしまいそうですけれど……そこは皆さん、きっちりバッチリ、アクションをこなして乗り越えてくださいました。

　さて今回は、順位を決定しなければならないということで、一定の基準のもとに判定をさせていただいております。
・目的地までの距離、移動手段
・全般的なタイム短縮に繋がりそうな身体能力の高さ、道具や装備の類
・ハプニングへ対応するアクションの有無
・トラック走行時の借り物の活動度、パフォーマンスの面白さ
　などなど、色々な要素を総合して、最終的な順位を導き出させていただきました。
　体育祭の一競技として、きっちりと判定は行いつつも……ガイドにもちらっと書いておりましたが、強いて言えば、楽しんだもの勝ち！　ということで。
　順位もありつつ、どなたもその過程も含めて楽しんでいただけたなら、私としましては、嬉しいなーっと思います。

　借り物競走が終わっても、体育祭はまだまだ続きます！
　皆さまはこの先もしばし、運動の秋をお楽しみくださいませ～。

　ご参加いただいた皆さま。また、借り物のお題としてお名前をお借りしました各コミュニティ様にも、この場を借りて、厚くお礼を述べさせていただきます。ありがとうございました！
　それでは、次の機会にお目にかかれますことを、心よりお待ちしておりますっ。
　お疲れさまでした！

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