【水泳大会】多分、生死を賭けた戦い（白猫サイド）｜リアクション

【水泳大会】多分、生死を賭けた戦い（白猫サイド）

【激突！　背泳！　スタート編】（黒２　白０）

「むぅ、マイクが回ってきたとあらば仕方ない。生徒会の桜庭です」
　どうやら、次のマイクは円へと渡ったようだ。
　今回のマイクのターゲットは、運営的な事情により水泳部と生徒会にマイクが渡されているようだ。
「そういうわけで、選手のアナウンスをします。
　1コース、白：日暮ねむる　選手　『起きたら、ここにいた不思議』
　2コース、黒：後木真央　選手　『部活をサボった力を見せてやるのだ』
　3コース、白：立井駒鳥　選手　『皆の為にもクーラーを！』
　4コース、黒：八神修　選手　『体力のない分は、技術で補う……！』
　5コース、白：雨宮煽　選手　『……体力ならあるわ』
　6コース、黒：野々ののこ　選手　『なんだか、楽しそう！』
　7コース：白：葵水姫　選手　『怪我をしないようにがんばりましょう』

　今度は、人数的には白猫組が有利そうかな？　あと、部活はちゃんと出よう」
　円が、一応生徒会らしく言いつつ、予想を立てる。
　しかし、黒猫組には、不確定要素（と書いてののこと読む）がいる。
　一体何が起こるのか……。　
　なお、8コースは一般生徒であったので、さっくりと流れる。
　なお、背泳ぎなので全員は最初からプールの中から開始する。
プールの飛び込み台の下にあるポールを両手で握って、上半身を壁にくっつけるような形でプールから出し、足は両足の底をぴたりと壁にくっつける感じである。
「位置について、ヨーイ……ッ」
　バァンッ！
「きゃぁぁぁーーー！」
　楽しそうな声と共に、ののこが盛大に飛び込む。
　ざぱーんと、波しぶきが立つが、ドルフィンキックを意識して水面に顔を出さずに思いっきりノビに入っている水姫と煽に被害は出なかった。
　普通にスタートしていたら、鼻に思いっきり水が入っていただろう。
　水姫と煽がスタートダッシュを決めてトップに立つ。
　次いで、真央と修が続き、ねむると駒鳥がほとんど差は無く続く。
　煽は、ぎりぎりまで潜水をした結果、やや優位に中間地点を過ぎる。
（ぎりぎりまで潜水……歌のために鍛えた肺活量が役に立ったわ）
　やや離れて次点となった水姫は、少しスピードを落として、どの時点で追い上げをするか思考する。
（ドルフィンキックは、大事な距離稼ぎだけれど、執着はせずに……ね。あとは、どこで追い上げるかね）
　そして、修が綺麗なフォームで真央と共に水姫に追いつく。
（体力より技術のウエイトが高い種目だ。だからこの競技で全て出し尽くす。たとえ体育科でも”短距離であれば”俺は負けないし、譲るつもりは無い！）
　どうやら、修は技術で体力のなさをカヴァーするようだ。
　そして、真央はぎらりとやる気をみなぎらせて泳ぐ。
（専門違っても体育科が体育で負けるのは許し難いのだ。体育科の意地なのだ！）
　なお、体育科同士で激突する場合もあるのだが、そこら辺は気にせず、モチベーションが維持できているので素晴らしい。
　そんな、修と真央にねむると駒鳥が追いついている。
（にしてもやっぱ眠いなあ。ぶっちゃけ、睡眠の方のウォーミングアップは完璧だったからねえ）
　そのままプールで寝落ちする可能性があるねむるだが、今のところ大丈夫なようだ。
　なぜならば……。
（まぁ、やるからには全力を尽くすしかないもんね。教室にエアコンがあれば快適に睡眠学習できるもの）
　と、やる気を見せているからである。
　そんなねむるとは違って、駒鳥は楽しそうに泳いでいる。
（泳ぐのは好きじゃよ……背泳は空が見えるしのぅ。今日も青い空じゃ）
　本日は快晴。雲一つ無い良い天気である。
　絶好の水泳日和だろう。
（体温は高めな健康体だが、寒い･冷たいが苦手じゃ。できるだけ早く水から上がるために、俺も頑張らにゃ！！）
　泳ぐのは好き、だが、寒いも冷たいのもダメ……難儀な人である。
　そんなこんなで、折り返し地点である。
　果たして、ターンの結果順位の変動があるのだろうか……？