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秘密のひとつふたつは誰にでも
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「み!?」
慎重に、慎重に隠したのだ。
風の精 晴月
と同棲するにあたり、それはもう丁寧にしっかりと。
それが、なぜ。
(テーブルの上にあるんだ……)
桜井 ラッセル
は自室に入ってすぐ、この場から逃げたくなった。「おかえり~」と笑顔で顔を上げた晴月はかわいい。かわいい、が。
(そこだけは見ちゃいけなかったのにっ……)
「み!?」の先を、自分から聞くべきか。それとも晴月が何か言うのを待つべきか。
しばし考え、ラッセルは思い切って口を開いた。見たのか見ていないのかずっと悩むのはごめんだ。
が、いざとなると勇気が出ない。やっぱり聞こう、やっぱりやめよう。迷った末に「あのさ」と口を動かしたが、心臓バクバク。でもなるべくいつも通りを装って「そこの戸棚」とエロ歴史……もとい、黒歴史の入っていたところを指で差した。
「なんか、探し物でもした?」
捨てられないけど実家に置くはどうかと思ったから持ってきていた俺のバイブルを見たか、などとはとても聞けやしない。ゆえに遠回りにこう訊ねたのだが、晴月はあっさり。
「探し物はしてないけど見たよ。すごくきれいに並べてあったでしょ。出したらこれ1冊だけ入らなくなっちゃったの。ごめんね」
その『これ』が、テーブルの上のものらしい。っていうか。
(出したら!? なんで出したんだ? っていうかこれ見たの確定じゃん!)
が、そのわりに晴月は何の反応も示さない。ああいう本は平気なのだろうか?
(とりあえず、俺の黒歴史本は見なかったっぽいな。イベントのため描いた漫画本……今見るとヒロインが晴月にそっくりっていう……)
「べ、別に平気、うん、俺、あとで入れとくからさ」
ラッセルはしどろもどろに答えた。「うん、ごめんね」と言った晴月は微笑んでいる。いや、いた、のだが。
突然、目もとがくしゃっとなり、「うえぇ~ん」と泣き出した。
「なんであんなにいっぱい隠してあるのぉ~。こっそり見てるのやだ~」
「えっ、あっ、あのっ、見てない! 見てないから!!」
「見てないのになんでしまってあるのぉ~」
「あのなっ、見ないけど捨てられないっていうか! 好きな作家のとか、初版本とかあるしっ……」
「でもやだぁ~」
晴月は、やだぁ、なんでぇと繰り返し、溢れ続ける涙を指でごしごし拭っている。きっと泣きたくないのだ。だから最初は物わかりのいいふりをして、でも耐えられなくて、こうして子供みたいに声を上げている。
「ごめんっ、ごめん晴月」
ラッセルは腕を開いて、晴月を抱きしめようとした。
しかし、それは違うぞ、俺のせいで晴月は泣いてるんだ! と思い直し、「ごめんっ!」と思いっきり頭を下げることにした。なんなら土下座をしたっていい。晴月を抱きしめるのは、晴月が許してくれたあとだ。
「うう……もう内緒で見ない?」
「見ない」
「見るときは、私の前にしてくれる?」
「わかった。見るときは晴月の前でっ……えええっ?」
ラッセルが大きな声を上げると、晴月はまた「ふえぇ……」となってしまった。
「わかった! もう晴月に秘密はなしにするから!」
「絶対?」
「ぜ、絶対!」
これでなんとか、ラッセルは晴月の笑顔を取り戻すことに成功した。
が、晴月がまだ気づいていないらしい黒歴史自作本がいつ見つかってしまうか、戦々恐々の日々を送ることにもなったのである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬田一稀
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年06月21日
参加申し込みの期限
2026年06月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年06月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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