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九夜山、遅れ藤降る花見日和
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少しの休憩の後、再び歩き始める。
歩いていくうちに、ほんのりと甘い香りが漂ってくることに気づけば「そろそろ花が見えてくるかもな」と幸次が言う。
美野梨は高校時代、よく九夜山に足を運んでいた。
今マタ大の理工学部に所属する彼女は実験室で過ごすことが多く、近頃は九夜山に行っていない。
(クヤマフジ、楽しみだわ)
久しぶりに来る九夜山は清々しく、どこか懐かしい気持ちもある。美野梨は嬉しそうに瞳を細め、口元を綻ばせた。
「植物も生物のうちですから」と興味から参加を決めたが、参加してよかったと彼女は確信した。
目の前に沢山の藤の花が咲いている。通常の藤より青みの強い紫の花が、木漏れ日を受けてより色鮮やかに見えた。
「わぁ……!」
「綺麗!」
真深とゆかりが歓声をあげる。美野梨もまた、「本当ね」と静かに頷いた。
「奥の方にもっと咲いているらしいんやけど、合っとる?」
巧が幸次に問えば、彼は1つ頷いた。お昼ご飯はそこで食べようと計画しているらしい。
「ここでも綺麗なのに、もっときれいな光景が見られるのか」
洋二が目を輝かせるも、焦る事はなく。碧南と共に辺りを見渡しながら歩いていく。
よく見れば、真っ青な藤も所々に咲いており、美野梨が幸次に問えばそれがクヤマフジの亜種だと教えてくれた。
「こんなに真っ青だなんて……!」
思わず目を見開く美野梨は、よく見ようと近寄ってみる。真っ青であること以外に異変はなく、過去に体験した事を思い出しながらも「今回は感染とか神魂の暴走じゃなさそうでよかったわ」と安堵の息を漏らす。
彼女は過去に青い桜が咲いた際、仲間と共に九夜山へ足を運んだのだ。
(そうそう、あの時は理科実験室に押しかけて、サンプルを集めに行ったんだったっけ……)
その青い藤を見ている内に、かつて共に行動した部活の仲間たちの事が脳裏を過った。
「この山に初めて来たのは生物部の昆虫採集だったのよね」
「へぇ! けっこうアクティブなんだね」
美野梨が懐かしそうに言えば、幸次が興味を持ったのか目を輝かせる。美野梨は当時の事を思い出しながら当時の事を少しずつ話し始める。
巧曰く、今回の目的地に到着したらしい。
お弁当の時間までは自由行動ということにして、各々花を見たり写真に撮ったりし始めた。
ゆかりはさっそく藤の花をスケッチし始めた。写真を巧に見せてもらっていたが、実際に自分の目で見るのとは大違いだとかなんとか言いながら。
(それは解る気がする)
真深はゆかりの言葉に相槌を打ちながら、クヤマフジを眺めていた。
テレビのニュースで話題になった時に見た覚えがあったが、やはり実際に見ているとどこか憂いを帯びたような青紫や心が引き締まるような青に目が釘付けになる。
火照った頬に当たる風の心地よさも相まって、真深は感嘆の息を吐いた。
「ここに来てよかった」
「そうでしょ? すっごく綺麗だし、風も心地いいし」
ゆかりの声が弾んでいる。彼女はこの光景と時間を心から楽しんでいるようだった。
(ここまでの道は走らなくても運動としてはちょうどいい感じだったし、吹いてくる風も気持ちいいな)
清々しい気持ちになって深呼吸すれば、ほんのり甘い香りがする。
「もっと近づいたらもっと匂いも強くなるのかな」
そう言いながら花へ近づく真深の後ろ姿を、ゆかりは微笑まし気に見つめていた。
ゆかりから少し離れた場所で洋二もスケッチしていた。創作意欲が湧いたのか、熱心に鉛筆を動かしている。碧南はそんな彼の姿に微笑みながらスマートフォンでクヤマフジを撮影していた。しかし、綺麗にフレームに収まらない。
「なかなかうまく撮れないかも」
「あぁ、そんな時は……」
と、助け舟を出したのは幸次。プラントハンターをしていた際に鍛えられたらしく、スマートフォンでの撮影も得意なのだとか。
やっと上手く撮影できたのだろう、碧南の口元が満足気に綻ぶ。
「いい写真は撮れたかい?」
「うんっ」
スケッチの手を止め、顔を上げた洋二の声に碧南が笑顔で答える。写真とスケッチを見せ合う2人の楽しそうな様子に、幸次も楽しそうに微笑んでいた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
菊華 伴
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
冒険
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
3人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年05月17日
参加申し込みの期限
2026年05月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年05月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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