我ら寝子島四天王！！！！｜リアクション

我ら寝子島四天王！！！！

　野々ののこの勢いにあてられた夢宮瑠奈は、なりたい四天王を考えてみましたが。
「うーん、やっぱり何になりたいかはよくわかんないので、なんかよくわかんない四天王を探したいと思います！」
　瑠奈は歌を中断して、四天王探しに出かけました。
（よくわからないなら探しに行こう！　見つかったらいいな、みつけようね！）
　そんなのりです。

　学食に顔を出すと、おいしそうにご飯を食べている人を見つけました。
「あなたは、学食おいしい四天王です！」
　瑠奈はさっそく四天王を指名しました。
「えっ？　四天王って、ほかの三人は？」
　指名された生徒が質問します。
　当然の疑問です。けれど瑠奈は笑顔で答えました。
「４人である必要もないですよね？」
「えっ……まあ、確か、に？」　
　釈然としないものの、なんとなく納得してしまった学食おいしい四天王でした。

　学食を出た瑠奈は、学校のあちこちを回ります。
　教室で編み物をしている人を見つけると。
「上手！　あなたは編み物上手い四天王です！」
　びしっと指を突きつけながら言います。
「えっ？　私が？」

　すごい勢いで電卓を叩いている会計らしき生徒を見つけると。
「すごい！　あなたは計算すごい四天王です！」
「……えっ？　いや、電卓叩いてるだけだけど……」

「あなたは、眼鏡似合う四天王です！」
「あなたは、部活楽しい四天王です！」
「あなたは、ボールの大きさ四天王です！」
　瑠奈は会った人みんなを次々に四天王に指名しました。
　我ながらちょっとどうなんだ、という気持ちも頭の隅にありましたが。　
（ちょっと頭悪く動くくらいがちょうどいい気がします。だって、四天王って、ちょっと頭悪いくらいがかわいいと思いませんか？）
　だってそのほうが楽しいから！　と思うのでした。

　指名された人たちは、驚きつつも、みんなちょっと恥ずかしそうな、でもいい笑顔になりました。
「みんなみんな何か特別な力を持ってるのです。みんなすごくて、みんなちがうって、みんな四天王なんです！」
　それは確かな発見でした。
（きっとそういうことを、みつけていけたらいいなっておもいます！）
　
　校門を出た瑠奈は、道でばったり、見覚えのある先輩に出会いました。
（こないだ雑誌で見かけたような。声優デビュー目指してるとか）
　そこで瑠奈は告げました。
「あなたは、アイドル声優四天王です！」

　先輩と別れた後、ののこが瑠奈に声をかけました。
「瑠奈ちゃんも四天王だね！」
「えっ？」
「瑠奈ちゃんは、四天王任命四天王だよ！」
「そうかあ」　
　そんな四天王も素敵だな、と瑠奈は思ったのでした。

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