夢の中のバトルアクション！｜リアクション

夢の中のバトルアクション！

「……えーっと？」

　勉強を切り上げ、湯船に浸かってから寝ようとしていた椎井莉鳥。
　ウトウトしてしまってそのまま夢の中へと入ったのだが、その状況がなんとも不思議なものだった。

　自分の手に持っているのは、人がおおよそ持つものではない見た目の、自分の身長ほどのサイズのライフル。
　更にいくつかの装備も莉鳥に装備されており、何が起こっているのかは分からなかった。

　ただ彼女は今夢の中にいる、というだけはなんとなく察していた。
　お風呂に入ってからの景色がこれなのだから、夢以外にない。
　そう決定づけた瞬間には、莉鳥は前から走ってきた車から襲われそうになっていた！

「わっ！？」

　突然武装した車が莉鳥を轢きそうになったが、寸前で近くの植え込みに逃げ込んだため事なきを得た。
　だが突如現れた謎の武装集団はもう一度引き返し、今度は積載していたガトリングガンを莉鳥に向けて発射し始める。
　中にはロケットランチャーを構える者もいて、見るからにやばいというのがわかる。

　マズい。このままではやられてしまう！
　莉鳥の頭がいっぱいになった瞬間、手に持っていたライフルがエネルギーを充填し始めた。

「これって……」

　莉鳥の視界をミラーシェイドに映し出された各データが支配する。
　ライフル充電量。敵数。敵の武装。予測される敵の行動等、様々なデータが莉鳥に与えられていく。
　何がどうなっている！？　と慌てていた莉鳥だったが、ミラーシェイドには次の指示が与えられていた。

　――照準を合わせろ、と。

「……どうなるか、知らないからね……！」

　ライフルの先を迫りくる敵武装集団に向け、ミラーシェイドによって照準を合わせる莉鳥。
　与えられた合図に合わせて引き金を引き、ライフルに溜め込まれたエネルギーを一瞬にして放出。
　真っ直ぐに伸びたエネルギー弾は直線上に走っていた敵武装集団を一気に巻き込み、一瞬のうちに消滅。
　残されたのは武装も車もなくなった敵が座り込んでいるだけで、街の中は平穏無事だった。

　莉鳥が最初から持っていたライフルの正体は荷電粒子ライフル。
　どうやって加速器を小型化したのか、何故自分がそんな物を持っていたのか等の原因は一切不明だ。
　けれど、それならたっぷり暴れて良いんだと判断を下した莉鳥。

　――夢の中だから、せめて今日ぐらいは！

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