寝子島がカジノになっちゃった！？｜リアクション

寝子島がカジノになっちゃった！？

◆ギャンブルの醍醐味

　真境名アリサは仕事休みということで明るいうちに家の用事などを済ませた。その夜。なんとなくコンビニへ買い物に行こうとアパートの外へ出たら、妙に明るい。

（このへんって、夜こんなに明るかったっけ？）

　不思議に思ってよく見ると、今までなかったネオンサインが煌々と輝いている。昼間に出かけた時にもこんなものは無かった。

（もしかするとこれって、カジノ？）

　実は賭け事が好きな彼女は、普段は競馬を愛好しているけれど、それ以外の賭け事にも興味がある。奇妙なことに違いないが、それよりも好奇心が勝った彼女は早速目に付いた建物に入ってみる。
　そこは確かにカジノだった。ポーカーにルーレットにスロットマシンなど、多様なゲームが揃っている。でもなぜかディーラーは全員猫だった。

（猫のディーラーなんて可愛いじゃない）

　そんなことを思いながら、まずはコインを100枚受け取る。
　最初は運試しにルーレットから。ディーラーが簡単にルール説明を始めようとしたが、アリサは賭け方などは把握しているので止めた。

（それじゃ、まずは……）

　手始めに４・５・７・８の４目賭けと２０・２１の２目賭けで各々１０枚ずつ。
　ディーラーが投げ入れたボールがルーレットに吸い込まれる。外周をくるくる回り、やがて５のポケットに落ちる。２目賭けは外れたが、４目賭けが当たり配当は１２倍。結果、１０枚は失ったものの１２０枚獲得という幸先のいいスタートを切った。
　その後も幸運は続き、賭ければ必ずどこかがヒットした。そうして増えたコインは気づけば５００枚になっていた。

（今日はツイてるかも！）

　今の流れならばいけるのではないか。
　彼女は直感を信じて１目賭け、２８に全てを託した。当たれば３６倍配当、１８０００枚になる。何度目か分からないルーレットへのボール投入。今までで一番その行方を目で追っている。

（当たれば……当たれば……！）

　期待で胸が高鳴る。
　そしてボールの勢いが落ちていき、やがて２８の隣に落ちた。今日のなかで最も落胆した。

（世の中そんなに甘くなかった）

　しかしその後、気持ちをなんとか立て直して少しずつ枚数を稼ぎ、最終的に猫の文房具セットを獲得した。

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