おばけカカシにご用心｜リアクション

おばけカカシにご用心

　夕焼けに染まる頃、泥だらけの三人は南瓜畑のそばに建てられたテントの下にいた。用意されたテーブルには良い香りを放つ、料理が並んでいる。
「おおおお」
　南瓜のマヨネーズサラダ、カボチャスープ、カボチャのシチュー、カボチャパン、和食だとカボチャの甘煮が置かれていた。
「カボチャパン！？　マジか」
　好きなパン屋を思い出し、ラッセルは目を輝かせた。
「さあ、食べてくれ。他の畑にいる人達ももうすぐ来る頃だから」
　農家のおじさんがにこにこしながら言う。
「いただきます」
　莉鳥はシチューを深皿に盛って、スプーンで一口。
「ん」　
　作り立てで温かく、とろけるような味だ。
「これってなんだ？」
　豪が皿に乗っている丸々一個のカボチャを指で指した。
「それはカボチャのグラタンだよ。器がカボチャなんだ」
　南瓜のヘタを持ち上げると、チーズやカボチャが詰まったグラタンがたっぷり入っていた。
「めっちゃお洒落だな」
　ラッセルが感心したように言う。
　と、豪はこちらに近づいてくる人物に気づいた。
「あ、海原先輩？」
元々誘ってもらった先輩だ。どうやら別の畑にいたらしい。
　全員でカボチャ料理を楽しんだ。

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