寝子中あやかし探偵団～藁人形の怪～｜リアクション

寝子中あやかし探偵団～藁人形の怪～

　寝子中１年の佐藤瀬莉は、なんとはなしにねこったーを見ながら考えていました。
（ここ最近、学校で色々と何かが起こっているらしいわね。藁人形が見つかり、いじめっこの女子生徒が不登校になり……さらに校長先生は怪しいし）
　小学校の時はこんなことなかったのにな、と思います。
　校長先生は優しかったし、ケンカをする子はいても陰険ないじめなんてありませんでした。
　少し沈んだ気持ちになっていましたが、タイムラインに『あやかし探偵団』なる言葉を見つけました。
「ＳＮＳで活動しているグループ？」
　色々とＴＬを追ううちにちょっと興味が湧いてきました。
「とりあえずヒマつぶしにはなるかな」
　と思い、あやかし探偵団とやらに参加希望のメールを送ってみることにしました。

　すぐに反応がありました。
『入団希望ありがとう。僕は団長のサトリ。さっそくだけど、君には不登校の女子生徒に関する調査をお願いしたいんだ』
『調査って……具体的には何を？』
『他にも女子生徒の情報収集をしているメンバーがいるから、収集された情報をもとにＳＮＳ上でその子の裏垢を探してほしい』　
　今時の中学生ならＳＮＳのアカウントを持っているし、瀬莉もそうでした。
　いじめをやるような子が裏垢を持っていてもおかしくはありません。
『わかった、やってみるわ』
　いじめをしていたらしい子は現在、不登校になっていますが、ＳＮＳの裏垢で自分の評判を色々とエゴサーチしたり、或いはいじめている子の誹謗中傷とかを書き散らしているかもしれません。
　やがて探偵団のメンバーから連絡があり、瀬莉はいじめている子の表のアカウントの情報を入手しました。
「いじめてる子がユカ、いじめられてる子が茉莉ね」
（裏垢と相互フォローしているかも）
　瀬莉は、１００人ほどのフォロワーを一つ一つチェックする作業を始めるのでした。

（あっ、これかも？）
　そのアカウントを開いたとき、瀬莉はピンときました。
　オカルトっぽいアイコンを使ったそのアカウントを調べると、表のアカウントのフォロワーたち数人にフォローされています。
（これだけじゃ確証はもてないわ）
　慎重に特定作業を行っていくのは、どこか時計の分解や組み立てにも似ている作業でした。
「あった……」
『茉莉ムカつく。今までは厳しい小春校長がいたから見逃してやってたけど、もう遠慮しない』
『ブスの癖にマサトくんに色目つかいやがって』
　などと、いじめられっ子を誹謗中傷している書き込みを見つけました。
（特定できればすぐに運営に通報、凍結させられるかな）
　とりあえず、魚拓と言われる証拠画像を保存するWebサービスやスクリーンショットで証拠を保存します。
（私の役目はここまでね）
　瀬莉はサトリにわかったことを報告しました。
『助かったよ、ありがとう』
　サトリからはそんな返事が返ってきたのでした。

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