モンスターニャンター・ナイス｜リアクション

モンスターニャンター・ナイス

水守流は最初にハンター達が降り立つ街にいた。
「へへへ、ようやくニャンモンの新作！　さっそく一狩り行ってくるかぁ」
まずは何をしようかと考えていると、近くをプレイヤーが通った。
「電気武器？」
「そうなんだよ。サバトラス討伐でな」
「！」
　流ははっとした。珍しい武器を持ってのスタートというのも良い。
「サバトラスか」
　流はサバトラス討伐に乗り出すことにした。
「今日はよろしく」
　同行者達に挨拶をする。明らかに年下二人組なので敬語は必要ないだろう。相手も気にしていないようだ。
同行者数人と生息地域へと分け入った。
「さーて、サバトラスはどこにいるかなー？」
と、背後に気配が。
「！」
　草むらから飛び出て来たのは、ニャルルーだった。
「うわっ、しまった」
　同行者が腰につけていた袋が盗られてしまったらしい。
「こら、待てっ」
　流と同行者達はニャルルーを追いかけ始めた。
「あの中身は？」
　盗られてしまった少年に聞く。
「回復ポットだよ！　一つしかないのに」
「任せとけ」
　流は全力疾走を始めた。スタミナが切れる前に決着をつける。
「おい、ニャルルー！」
　呼ばれて振り返ったニャルルーはびくっと肩を揺らした。流が頭巾棒についているニャルルーの変な顔を向けていたのだ。
「今だ」
　地面を蹴って片手剣を抜くと、睡眠の効果を発動させた。
　走っていたニャルルーは次第にふらふらとして、地面に倒れ込んでしまったのだった。
「あ、ありがとう。すげーっ」
「もしかして、プロ？」
「ただの作戦勝ちだって」
　そう言われるのは悪い気はしない。
　それはそれとして気を取り直し、サバトラスを探してると、
「いたいた。もう戦ってんじゃん」
地団駄を踏んで暴れているようだ。戦っているハンター達の動きは初心者のそれだ。
地面に吹っ飛ばされる彼らに駆け寄る。
　それに気付いたサバトラスが雷を放ってきた。
「うおっ」
　雷の球体が流の横を通り過ぎていく。
「あぶなっ」
　サバトラスはすぐに別のハンター達に気をそらしたので、
「大丈夫か？」
　地面に倒れている彼らに声をかける。体力がもう残っていないようだ。
　「さっそくこいつの出番だ」
　回復ポッドを広域化。仲間を回復させる。
「よっし」
と、先ほど気をそらしてくれたハンター達が苦戦を強いられていた。飛び道具はまとった電気に落とされてしまい、剣を使えば自分が感電させられる。
　強敵のようだ。
「うわあっ、もう駄目だっ」
　叫び。
　流は動いた。電の球体に当たったハンターの一人を横から受け止めて、回復ポットを使用する。
「一瞬、体の周りの電気が消える瞬間があるから、そこを狙うんだ」
　大声で周知すると、皆もそのタイミングが分かったようだ。
　流も攻撃に加わる。
「たああっ」
　まとった電気が消えた瞬間を狙い、片手剣を振り下ろす。傷をつけることが出来そうだ。
そして、流の攻撃が当たったようで、サバトラスは催眠の効果で地面に倒れ伏した。
「よしっ」
　無力化したところで、シビレネコワナを使い、動きを封じる。
　ところが、
「ぎゅあああああっ」
　シビレネコワナを千切りそうな勢いで、暴れ始める。最後の悪あがきだろうが、このままでは総攻撃が仕掛けられない。
「皆、合図したら攻撃をしてくれっ」
　作戦がある。
　流はサバトラスの死角から近づき、爆弾しかけて、すぐさま起爆する。
　物凄い爆発音とともに煙が巻き起こった。それが薄れてきたところで、
「今だっ」
　総攻撃開始。

　やがて、
「よっしゃー！勝利！素材は……だめかー、次いくぞー！」
　冒険はまだ始まったばかりだ。

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