VS病魔の妖精　桜餅の木を救え！！｜リアクション

VS病魔の妖精　桜餅の木を救え！！

白石龍樹は家のリビングでくつろぎながら、スマホをいじっていた。最近、ねこったーを始めたのでついつい見てしまう。
「ん？」
　『いいね！』の数が異様に多い呟きが目に入った。
「なんだなんだ？」
　そこに書かれていたのはこの島のどこかに存在するという桜餅の木についてだ。
「すげぇ！　食いたいっ」
　木にたくさんの桜餅が生っているなんて、夢のようだ。
　キッチンのドアを開けて中を覗き込むと、
「かあちゃん……」
　ケーキ屋のチラシを見ながら、唸っていた。ダイエットのためにお菓子を我慢中らしいが、
「確か、和菓子の方がダイエットには良いんだったな」
龍樹は母に断って、家を出た。桜餅の木を探すことにする。
　その途中に出会った桜の妖精から桜斧なる武器も手に入れ、いざ病魔退治だ。

　ぼんやりと桜の花びらが舞う道を歩いていたマリエッタ・ラシュリエは妙な声に足を止めた。目の前に現れたのは桜の妖精を名乗り、桜斧を渡して来た。
「こ、これで何をすればいいの」
　丁寧に説明をしてくれた。要約するとこうだ。
「島のどこかにある巨大な桜餅の木に取りついた病魔の妖精を倒してほしい」
　武器を受け取ってしまった以上、やるしかないだろう。

　龍樹は、はっとして空を見上げた。一際大きな花びらが舞っていた。
「見つけたっ」
　風に吹かれてきた方へ向かう。
　市街から少し離れた林の奥、開けた空間になっていて、そこに大きな木が立っていた。
「さ、桜餅」
　話に聞いた通りだった。枝に桜餅がたくさん生っている。桜の花びらが舞っていて綺麗だが、病魔に侵されているのは明白だ。黒いオーラをまとっている。
「うおっ」
　伸びた枝が飛んで来た。慌てて横に避けると、地面に裂け目が出来てしまう。
　龍樹は気を引き締める。

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