春はプレゼントを｜リアクション

春はプレゼントを

■新しい体験にチャレンジ！

　佐藤英二は桜花寮の１人部屋で、プレゼント交換会に用意するプレゼントを何にしようか考えていました。
　アニメや特撮、ゲームやプラモデル等が好きな英二。
　何とはなしに部屋を見回していると、飾られたニャンプラが目に留まりました。
「そういえば昔クリスマスの時にニャンプラを出したことがあったなぁ。よし、今回もプレゼントしてみよう」
　ニャンプラとは、国民的ロボットアニメ『希望戦士ニャンダム』のプラモデルのことです。
　プラモデルを趣味にしている人がどれくらいいるかはわかりませんが、メジャーといえるほど多くはないでしょう。
（でも、もしかしたら今回も受取った人がニャンプラ作りにチャレンジしてくれるかもしれないし）
　自分から始めるにはちょっと敷居が高いかもしれないけど、プラモデル作りはとても楽しい、と英二は思っています。
　子供のころ雑誌についてきた、いろんな付録を組み立てた経験なら誰でもあるのではないでしょうか。
　あれと同じようなものです。付録がメインになっているという違いくらいです。
　プロのモデラーのように上手くは作れないでしょうが、下手でもいいのです。
　自分で苦労して作ったものには、他とは代えがたい愛着がわきます。

「さっそくニャンプラを買いに行こう」
　というわけで、英二はおもちゃ屋に出かけました。
　ニャンプラは大抵のおもちゃ屋で買えますが、今回英二が向かったのはシーサイドタウン、キャットロードの一角です。
　二階建てのお洒落なホビーショップ【Ze Pet（ゼペット）】。
　そのニャンプラコーナーへ英二はまっすぐ向かいました。
　大小さまざまな山ほど並んだニャンプラの箱や展示された完成品を前にして、英二は考えます。
（初心者の人が受取っても大丈夫なキットを選ばないと。そうだなぁ……主役機『ニャンダム』の、なるべくパーツ数も多くなくて塗装不要、接着剤不要の入門キット）
　しかし、探しているうちについ対象外のニャンプラにも目が向いてしまいます。
（プレゼント用の買い物のついでに自分用のプラモも買いたくなってきたなぁ）
　部屋にはまだ組んでいないプラモデルが少なからず積まれているのですが。
「まあ……こういう購入意欲が湧いたときに買うのも一興ということで」

　結局、店を出た英二の手には、ニャンダムの入門プラモと共に『ニャクⅡ』（ニャンダムの、ラクシーン公国の主力級ロボット）の新作キットがあったのでした。

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