【おまかせ】キャラ的おぎゃー！な瞬間　解禁スペシャル！｜リアクション

【おまかせ】キャラ的おぎゃー！な瞬間　解禁スペシャル！

☆図書館長の不思議な体験

　旧市街の一角、郵便局の近くにある二階建てのかなり年季が入った建物。
　地域住民がよく訪れる寝子島図書館が、森本明乃の新しい職場でした。
　明乃は新任の図書館長として、４月から赴任してきました。

　明乃は、仕事ができそうに見える女でした。
　実際とんとん拍子に出世して図書館長になったのですから、それなりに優秀です。
　優秀すぎて婚期を逃してしまったのだろう、と周りからはささやかれていました。
　でも実は仕事よりプライベートが大事で、趣味の観劇ができればよかったのです。
　観劇に行く時間を作るため効率的に仕事を片付け、推しの２．５次元俳優を追いかけていたのです。
（寝子島、のんびりしてるのはいいけど劇場から遠いのよね……）
　図書館なら本はたくさん読めるでしょう、と思ったものの、案に相違して館長の仕事はなかなか忙しいものでした。
　副館長は何かとマウントを取ろうとしてくるし、若い事務職員にはおばさん扱いされるし。
（まあ、おばさんだから仕方ないけどね。図書館に勤めるなら人の外見だけでなく内面を……って、無理な注文かな）

　人間関係がそんな具合なので、明乃は急ぎの仕事がない時は巡回と称して、執務室を離れました。
　そして人目につかない場所で本を読むようになったのです。
　そんなある日の読書中。
　人気がない書架の奥から、争うような声が聞こえてきました。　
（あら？）
　開いた本を持ったまま、面倒に巻き込まれないようそっと離れよう、と思ったのですが。
「やめ……ムグッ！」
　何やらただならぬ様子に、明乃が書架の陰からそっと覗くと。
　小柄な女性が、男に背後から抱きつかれ口を塞がれて、剣を突き付けられているではありませんか！
　しかも男の頭には、鬼のような角が生え、口には牙が！
（な、何？　何が起こってるの？）　
　驚き慌てつつ、明乃は頭の別の部分で冷静に思っていました。
（私が空手の達人だったら、あんな男退治できるのに！）
　ちょうど読んでいた本が、空手の達人のノンフィクションだったのです。
「おい、そこに誰かいるのか？」
（見つかった？）
　男がこちらに近づいてきて、まずい、と思ったその時。

　明乃の体が眩しく光りました。
　一瞬のちに、明乃は男がさっきより小さくなった気がしました。
（違う、私が大きくなった？）
　ふと目を下に向ければ、普通のスーツだったはずが空手着を着ています。
（え、え、これって？）
　男が口を開け、驚いた顔でこちらを見ています。およそ戦意は感じられませんでした。
（こうなったら）
「その人を放しなさい！　キエー！」
　昔習っていた空手の型を思い出しながら気合いを放ちます。
　その声が太い男のものだったのにびっくりしつつ。
「ひゃっ！」
　男はよける拍子に剣を取り落としました。
「そこまでよ！」
　さっきまで捕らえられていた女性が剣を拾い、逆に男に突き付けていたのでした。　
「ご協力ありがとう。ごめんなさいね、星幽塔の入り口がここにつながっちゃって」
　男に手錠のようなものをかけた女性がそう言った時、明乃の視点が元に戻り。
　明乃は呆然と元に戻った体を見下ろすのでした。
　そして空間に空いた穴から制服のようなものを着た男性が現れ、男を連れて穴の中に消えていきました。

「時空が不安定で、この図書館に異世界の入り口がつながった……？」
「そう、申し訳ないけどこの周辺に、時々変なのが紛れ込むかもしれない。私もできるだけ対応するけど、いつも来られるわけじゃないんでよろしくね～」
「よ、よろしくって」
「あなたもれいびなんでしょ？　大丈夫よ、寝子島の人は強いもれいびも多いから協力者を集めればなんとかなるわ」
　差し出された名刺には『星の交易所所長　星野メイ』と書かれていました。
　メイはにこやかに手を振って穴の中に飛び込み、そして穴は跡形もなく消え失せました。

（えー、時々ってそんな……フツウとか守らなきゃいけないわけ？　休み、なくなっちゃうじゃない……）
　明乃はがっくりと肩を落としたのでした。
　

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あとがき

担当マスター：茄子りんこ
ファンレターはマスターページから！

ご参加ありがとうございます。
解禁キャラということで、動きにくいところもあるかと思いますが、どうぞ思いっきりやっちゃってください！
動かしづらいところは、遠慮なくどんどん変えて活躍していただければ幸いです。

これからの皆様のご活躍を楽しみにしております。
またご縁がありましたらご参加お待ちしています。

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