Re:奴隷戦線異常有り｜リアクション

Re:奴隷戦線異常有り

●●●素早く剛を制す●●●
「1体は相手にできるかしら、琴代とのんのん？」
「無事ですか、武井先輩と野々村先輩」

　ティオレと刀は琴代と天子の戦っているサイド側に戦場を移す。
　逆サイドと中央のほとんどのゴブリンは仲違いを起こしているかのように争いあっている。
　その争いに残ったゴブリンが再び奴隷にターゲットを定めるまでの時間、愁いをなくすように集まった。

「んー…1体なら倒せるかも？　今はさばいてるだけだから」
「頼もしいですね。武井先輩は怪我、大丈夫ですか？」
「怪我？　最近怪我してないけど…ま、心配ないよ！　色男くん！」

　ゴブリン達の攻撃を避けたり、受け流しつつ軽口を交わす琴代と刀。
　どこかちぐはぐだが、深く考える時間は無く、その必要性もない。
　刀はティオレと目配せをし、ゴブリン3体を引き受ける。

「同士討ちを狙う…必要も無さそうか」
「そうね。さっきの感じからすると、後の先って奴がいいかしら？」

　ティオレの提案に小さく頷く刀。
　そんな会話の中でも横なぎの攻撃を繰り出すティオレ。
　当てることが目的ではなく、牽制と誘導。3体のゴブリンから意識を移し、背には刀が控える。

「人型なら急所は大体一緒かしらね。それなら―――」

　棍棒を力任せに振り下ろす3体、うち1体に対し足を振り上げるティオレ。
　その足先には多分な砂が乗っており、目が潰されてしまったゴブリンはたたらを踏む。
　他2体はティオレの居たはずの所に並ぶ棍棒に足をかける刀。

「やるな」

　少しだけ頬を緩ませる刀だが、即座にガチン！と撃鉄が落ちるイメージを構築する。
　刀のろっこん【加速】が力を発し、自身が文字通り加速する。
　ぼろぼろの剣の先がゴブリンの頭を捉えており、勢いをそのままに激突し吹き飛ぶゴブリン。

　そうして戦場のゴブリンは着実に減っていく。

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