寝子高校舎、お掃除大作戦！｜リアクション

寝子高校舎、お掃除大作戦！

●教室の大掃除　

　水上桜は、クラスメイト達と１年５組の大掃除を。
　まずは机を後ろの方へ移動させ、教室の前半分をホウキで掃き、その後にモップや雑巾で拭き掃除。
　前部分が終わると、今度は机を前の方へ移動させ、教室の後ろ部分を掃いたり拭いたりして綺麗にする。
　桜達が頑張って掃除をしている中、サボっている男子生徒が何人かいる。
　全員というわけではないが、途中で面倒くさくなったのだろう。
　男子生徒の誰かが、掃除用具を手に遊ぼうと言い出した。
「遊んでいないで、真面目に大掃除してくれない？」
　桜が注意するが、男子生徒達は「いいじゃん、別に」とサボり続ける。
「サボることは、美化委員長の小萩が許しません！」
　掃除用具の確認をしている最中、その現場を目撃した本条小萩が男子生徒達に注意した。
　小萩の注意も聞いてくれないので、桜は注意するのを諦めた。

「苦労しているわね」
　１年５組の前を通りがかった際、各教室を見回りに来た剣崎エレナが声をかけた。
「小萩は次の場所に行くので、これで失礼します。では！」
　忙しくなりますー、と小萩は掃除用具の確認を再開。
「お恥ずかしいところをお見せしました。普段の掃除も、こんな感じでして。剣崎さん、すみませんが、人手が足りないので窓拭きを手伝ってくれませんか？」
　申し訳なさそうに、エレナに雑巾を手渡す。
「いいわよ。人手が多い方が早く終わるしね」
　エレナは快く手伝ってくれた。

　皆で協力したこともあり、１年５組の大掃除は予定より早く終わった。
「剣崎さん、手伝ってくれてありがとうございました」
「お役に立てて何よりだわ」
　エレナにお礼を言った後、桜はサボった男子生徒達に再び注意を。
　終わったからいいだろと不貞腐れていたが、それでいいわけがないとお説教。
「男子のサボりは相変わらずね。ちゃんとしないと駄目よ」
　見回りの最中に様子を見ていた久保田美和先生が、男子生徒達を窘める。
　久保田先生の言葉を聞き入れた男子生徒達は、すいませーんと謝った。
「しっかり綺麗にしたから、これで教室を後輩に引き渡せるわね」
　教室の掃除を終えた桜は、生徒会役員室に向かった。

「お掃除期間中、小萩は……ぬー、兼務が多いので忙しいですね」
　小萩はバトミントン部と華道部の部室、美化委員会と寝子祭実行委員会の備品庫、さらには掃除用具置き場も定期的に回って、足りないものを補充していく。
　１人では大変なことになるので他のメンバーに手伝ってもらいながら、ということにならざるを得ないが。
「小萩の人望で引く手あまたなのは知っていますが、何しろ小萩は一人しかいないので！　全宇宙においても、唯一無二の絶対存在なので！」

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