朝と夜の交換日記｜リアクション

朝と夜の交換日記

『見つかったね　やりたいこと』

『見つかったね　夏夜ちゃんのお陰』

『そうじゃない　ふたりだったから』

『そうだね　ふたりだったから』

『考える事も沢山あるけど　お互い、頑張ろう』

『うん！　お互い、一緒に……時には別々に……頑張ろうね！』

　朝は尊い。
　眩く輝く光がすべてを照らし、心も晴れやかにしてくれるから。
　夏朝の朝の日課は、まず、日記帳を開いて夏夜が書いた日記を読むこと。
　出逢うことのできない片割れが、前向きに夢に向かって手を伸ばそうとしているのがわかるから、夏朝の胸も希望に膨らむ。
　僕も。
　僕だって夢に向かって手を伸ばす。
　色々学んで寝子島で書きたい。差し当っては――。
「木天蓼大学に行きたいな。文学部ってあったかな……」
　その呟きを日記に書いた翌日の返事はこうだった。
『撮影系の道に行くには……専門学校もある、教養の事を考えると大学……』
　そこまで書いて夏夜は現実的な気持ちになったらしく、お金のことにも言及している。
『学費が怖いな。２人分だと恵御納家の家計が……』
　それを読んだ夏朝は思わず、ふふ、と笑みを漏らす。
　お父さんとお母さん、二人分は辛いだろうな。
　奨学金という手もあるかしら。
　そうだバイトをしてもいい。
　それこそＲ＆Ｒの報酬は、それなりに良かったんじゃなかったか？
　あのお金、夏夜ちゃんは積み立ててはいなかったろうか。

『現実的なことを考えるのは楽しい
　生きているという感じがするから
　夢が近づいてくる気がする
　僕等二人の夢が』

『その前に……分離共存を実現して
　僕が寝子高生になる所から始めないとね』

　――夏夜ちゃんへ。
　――夏朝へ。

　朝と夜。僕等の交換日記は続く。

＜了＞

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あとがき

担当マスター：笈地行
ファンレターはマスターページから！

こんにちは。ゲームマスターを務めさせていただきました笈地です。

夏朝さんと夏夜さんの交換日記のお話をお届けさせていただきました。
日記の体裁で
それぞれの気持ちに寄り添えればと願いながら
書かせていただき
おふたりのことをより深く知ることができて楽しい時間でした。

それではまた寝子島で！　笈地でした。

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