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ある迷宮で手繋ぎを
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最悪だ! そんな声が遠くから聞こえた気がして、
葉月 朱真
は辺りを見回した。しかし、近くにいるのは
古苗木 美姫
だけである。
朱真と美姫は、薄暗い図書館にいた。
朱真は周囲を見回し、考えながら淡々と呟く。
「飛び飛びに抜けた本を並べ替えれば良いのか」
「もしかして、もうわかったんですか? すごいですね!」
パズルとしては古典的な部類だが、法則性もまた多様にあるので、これは多少厄介だ。
本棚は4段で、一番上の段は数字順に本が並んでいる。本棚の2段目以降は、本がところどころ抜けていた。
「となるとQWERTY配列順か?」
入れるべき本は、地面に散らばっていたり、配列とは関係のない棚に入っていたりしている。
「QWERTY? 私じゃさっぱり……」
「QWERTY配列は、文字を入力するキーボードに採用される配列のことだ。この順で並べ替えようか」
「本の並べ替えですか? 整理なら任せてください」
「ああ、きみはコンビニでアルバイトをしているのだったか」
朱真の言葉に、美姫は頷く。美姫にとって商品の陳列は毎日やっていることだ。
美姫の手際は良く、あまり時間をかけずに2人は本を並べ替え終えた。
「よし、これで良いようだ」
(無事に元の世界に帰れたら、今度美姫のアルバイト先に行ってみようかな)
書棚から先へ歩いていくと、瘴気が渦巻く沼が見えてきた。
「この先から視界が悪いな。ほとんど何も見えない」
すぐ隣にいる相手の姿さえ、濃い霧のせいで見えない。
美姫は朱真との距離を縮めた。
「5秒、私の目を見て? 私もよく仕組みがわからないけれど」
言われるままに、朱真は美姫の目を見つめる。
「もしかして、見つめ合うと考えが伝わるのか?」
「ふふ、そう、信頼しあう人とは多少は互いの考えがわかるみたいです」
「きみがそう言うのなら信じよう」
2人はどちらからともなく、手を差し出していた。
「何も見えないから、手を繋いたほうがいいですね」
「はぐれないよう、手を繋ごうか」
重なった言葉は同じ意で、確かに心が通じるようになったようだ。
「朱真ちゃんと、こうして手を繋ぐのは初めてですね」
「そうだね、手を繋ぐのはこれが初めてかもしれない」
沼に落ちないよう気をつけて、美姫は頭の中で考えたことを伝えながら歩く。
「運動会の……組体操とかで、友だちと手を繋ぎましたね」
「組体操では『軽いから』というだけの理由で上に乗せられることが多かったな」
「上は経験ないです。バランスを取るのが難しそうですね」
突然周囲の風景が変わった。まるで、こちらを怖がらせるような、おどろおどろしい風景だ。
深い霧、暗い影。そういえば、深い霧の森で、黒く暗い影に捕まりそうになったという話を聞いたことがあったような。
思い出して美姫は怖くなったが、その気持ちを心の中に押し込める。口に出してしまえば、朱真を不安にさせてしまうだろう。
(落ち着いて、落ち着いて……)
怖いものが苦手な美姫は、心の中で自分に言い聞かせて歩く。
運動が苦手なのもある。運動が苦手なのは朱真も同じで、2人は足元の道から沼に落ちないよう、まっすぐ進めるようにそろそろと慎重に足を運んだ。
「そうです、何か歌でも歌っていきましょう?」
「歌は学校で習うような歌くらいしか知らないが、それでも良ければ」
そろそろと慎重に歩きながら、声を出して不安を振り払う。
いつの間にか、沼のある道は抜けていた。お互いの姿がよく見える。
結構歩いたような気がするが、見知らぬ場所だからか、距離感覚がつかめない。
「疲れてきましたね……」
「少し休憩をしながらにしようか」
「ええ、休んでいきましょう」
朱真と美姫は腰を下ろした。
稲積 柚春
は遠くで歌声が聞こえた気がして、耳を澄ました。かすかに聞こえるそれは、寝子高の校歌のようだった。
「あれ校歌かなぁ?」
「そう聞こえました。誰か、寝子高の人がいるんでしょうか?」
柚春の隣にいるのは、寝子高の
ウォルター・B
だ。
たくさん話したことのある親しい先生、というわけではなく、少し面識がある程度。けれども、まるで初めて会う人と話すように緊張する。
そんな様子を外に出しはしなかった……しないように努力したが、なぜか自分の鼓動は速かった。
(昨年の秋に越してきて、もう町には慣れたと思ってたけど知らない場所に出たな)
辺りを見回す。やっぱり見たことのない場所だ。まるで……。
(迷宮? まさかね)
そのまさかは、先へ進むうちに確信に変わった。
どこまで行っても見知らぬ建物の内部だった。歩けば進んでいるようだが、出口は見当たらない。
二列の細い橋が見えた。橋は、ゆらゆらと揺れている。何も調べずにいきなり渡ってしまうのは危なそうだ。
橋の近くには大きめの岩がごろごろと転がっていた。広い視界で辺りを見たくて、柚春はカプセルギアを操作する。人型の盗賊の様相をしたカプセルギアは、大きく跳躍して、一番大きな岩の上に登った。
「手を、繋いで渡れ……?」
カプセルギアが無ければ、この情報を目にできる可能性は低い。親切なのか不親切なのかわからない情報だが、あえて試練として岩の上に置かれたのだろうか。
「手?」
「繋いで渡る必要があるみたいです」
「じゃあ、はい」
ウォルターの手が差し出される。
ふっと恋人繋ぎが頭をよぎって、頭を振った。憧れてはいるけれども、相手は先生だ。それなのに、この空間に来たときの緊張が戻ってくる。
柚春は遠慮がちに、片手の指先だけを絡める。が、ウォルターはその手をしっかりと握った。
ここは危険な場所で、橋の下に生徒である柚春が落ちてしまわないようにだ。
そうとわかっているはずなのに、柚春の鼓動が速まる。
「タイミングを合わせて行こうねぇ」
「はい」
片手にはウォルターの手、もう片方の手には、カプセルギアを。
柚春は、ウォルターと息を合わせて不安定な橋を渡りきった。
『そんなー……』
残念そうな声が風に乗って聞こえてくる。それと同時に、辺りが白く明るくなっていく。
「夢から覚めるのかなぁ」
どうやら、ウォルターはこの世界を夢だと思っているようだ。
「稲積、また学校でねぇ」
「はい、また」
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あとがき
担当マスター:
鳴葉ゆらゆ
ファンレターはマスターページから!
シナリオにご参加いただき、ありがとうございました。
鳴葉ゆらゆです。
お相手ともっと仲良くなれましたでしょうか。
なお、時空がねじれていたので、それぞれの組が出会うことはありませんでした。
声は届いたようですが。
楽しんでいただければ幸いです。
また機会がありましたら、よろしくお願いいたします。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
鳴葉ゆらゆ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年05月28日
参加申し込みの期限
2020年06月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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