「どこでしょう、ここ……?」
「迷路……だろうか?」
古苗木 美姫と
葉月 朱真が気づくと、見知らぬ空間に立っていた。
どこか、建造物の内部のようだ。天井は低く、明かりは一定の間隔で壁に備え付けられたランタンだけであり、薄暗い。
石造りの壁はいかめしく、調度品などは中世ヨーロッパの城を思わせる。
廊下のようでもあり、迷宮のようでもあり、入り組んだ構造に美姫と朱真は首を傾げた。
「一体ここは何なんだ? どうしてここに?」
「また何か、奇妙な現象でしょうか……」
『きゃはははは!』
甲高い声に振り向くと、まさしく奇妙なものがそこには浮いていた。
『ようこそ、ボクの迷宮へ!』
「あ……悪魔?」
女の子? 男の子? 分からないがともかく幼い容貌に、蝙蝠羽と細く長い尾を持つ、それは小さな悪魔だった。
『センパイ悪魔に聞いたのです。ニンゲンは醜い生き物で、いつも争いごとばかりしているんだって! 仲が良いふたりに見えても、本当は心の中では憎み合っているんだって!』
えらく偏見に満ちた人間観に、2人は顔を見合わせた。
『だからボクの迷宮は、閉じ込めたニンゲンを仲違いさせてしまう仕掛けがいっぱいなのです。さー、あなたたちは無事に脱出できますかねぇ~?』
にやにやと笑いながら、子悪魔はどこかへ消えた。
2人の目の前には、暗い迷宮がどこまでも広がっている。
こんにちは、鳴葉ゆらゆです。
よろしくお願いいたします。
概要
寝子島にやってきた悪魔のひとりが作り出した不思議な空間の中に、
あなたは閉じ込められてしまいました。
空間は迷宮となっていて、脱出するためには、数々の障害を乗り越えなければなりません。
迷宮では、主に2人以上で行動することになります。
一緒に行動したい方がいる場合は、GAを組んでください。
お一人でのご参加の場合は、ランダムでほかの参加者と一緒に行動したり、
NPCやモブキャラクターと行動することになるかもしれません。
迷宮を突破するためのコツは、「手繋ぎ」です。
パートナーと協力し、相手を信頼するために手を繋ぐことで、
数々の仕掛けを上手に攻略することができるでしょう。
ただしこの迷宮には、仲間の不信感を増し、仲違いさせてしまう、
不気味なオーラが満ちています。
油断すればすぐにささくれた気分になり、相手が憎らしく思えてきてしまいます。くれぐれもお気を付けを。
その代わり、見事困難を突破することができれば、お互いの仲はさらに深まることでしょう。
アクション
迷宮内には、いくつかのアトラクションや謎解きの仕掛けがあります。
これらは、パートナーと手を繋ぐことで、より攻略しやすくなるよう設定されています。
<仕掛けの例>
・二列の細い橋
乗るとすぐに崩れてしまう脆い橋。下には溶岩がグツグツ。
素早く駆け抜ける必要がありますが、それぞれの橋に乗れるのは一人ずつのみ。
手を繋いでバランスを取りながら、急いで渡りましょう。
・突風の回廊
強烈な風が吹き荒ぶ廊下。
一人では進むこともままなりませんが、互いに身を寄せて支え合うことで、
なんとか突破することができるかもしれません。
・暗黒図書館
薄暗い図書館。奇怪かつ陰惨な本ばかりが収められています。
本棚にはちらほらと空きがあり、あちこちに散っている本を正しい棚に戻すことで、
先へ進むことができます。
・惑いの庭
瘴気が渦巻く沼が広がっています。
濃い霧が立ち込めていて、すぐ隣にいる人の顔すら見えません。
はぐれないように注意。
・憎悪のランプ
剣や槍、ナイフなどの武器が収められた部屋の真ん中に、不気味な光を放つランプが一つ。
このランプの光を浴びると、お互いの欠点などがやけに目に付き、
ケンカが発生しやすくなります。
仕掛けはお好みのものを自由にご指定いただいて構いません。
いくつかの仕掛けを突破すれば、脱出することができます。
パートナーと絆を深め、仲違いさせようという悪魔の意思に抵抗しながら、
迷宮を見事突破してください!
それでは、皆さまのご参加お待ちしております。