おかしな☆試食会｜リアクション

おかしな☆試食会

●それぞれのおすすめ

　和気あいあいとした雰囲気で、談笑する一同。
　その会話のなか、先生がふと話を切り出した。

「水守くんは何かオススメのお菓子はあるかしら？」
「色々あるっすよ！　つっても一気に教えてもわかりにくいでしょうし、ある程度絞ったほうがいいッスよね？」

　そういいながら、流は持参したカバンから何かを取り出した。彼は自信満々にそれを掲げた。

「というわけで今回のおすすめはこれ！　デン！　ぽてぃとぅちっぷす！」

　やけにいい発音でお菓子の名前を読み上げると、テーブルの上に置いた。

「ま、王道ですわな。ポテチ」
「王道なのね。ポテトだから塩味かしら？」
「いやいや、オーソドックスなうす塩はもちろんッスけど、コンソメ、海苔塩などなど。さらに辛いのすっぱいの、色んな料理の味もあってバリエーションは無尽蔵！」

　流はポテチのプレゼンを力説した。
　皆の頭には、それぞれのポテチの味が浮かんでいる。

「同じ味でもメーカーの違いによって薄切り、厚切り、スティック状、硬めなのやら成形したやつやらと千差万別！　コンビニプライベートブランドのでお安く買えたり！　予備知識なしでポテチコーナーに行ったらポテチ大迷宮にはまって、どれを買えばいいかわからなくなったりも！　そういうわけで、ポテチ初心者の先生におすすめなのはこれ！」

　いつ息継ぎをしたのか分からないほどスラスラ言い切ると、その締めに、さきほど取り出したポテチの袋を強調した。

「コンソメ味のポテチ！」
「色々な味があると言っていたけれど、どうしてコンソメなのかしら？」
「確かにポテチの定番といえばうす塩かコンソメで分かれるとこッスけど、うす塩味は先生なら普通に作れそうだし、手作りと違うジャンク味なコンソメ味を持ってきたっスぜ！」

　先生はさっそくそれを口に運ぶ。
　固形コンソメは料理でよく使うけれど、こういった形で食べることは先生にとって珍しい。パリパリとした食感のなかに、確かにコンソメの味がする。

「本当にコンソメの味なのね。おいしいわ」
「でしょ！」

　流は拳を握って、やったぜという表情を浮かべた。
　コンソメ味を皆で楽しみながら、次は海に順番が回ってきた。

『私が持ってきたのはこれです』

　海が持ってきたのはいもりこのジャガバタ味とエビチップ。
　いもりこはポテチと同じ食材を使っているが、全く別物のお菓子。手ごろな歯ごたえとふんわり香るバター。素朴でありながら、しっかりとした味を楽しめる。
　エビチップは材料を揚げて、エビのパウダーをまぶして風味を出している。そして１枚が小さく、食べやすい。

『私のおすすめ。どっちもおいしいから皆も食べてみて。たくさんあるから遠慮はしないで』

　そういうと海はテーブルにいもりことエビチップを追加した。
　先生はジャンクな雰囲気ながら、しっかり食材の味がするところが気に入ったようだ。

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