ご奉仕あそばせっ！　秋はバニーなメイドでいかが♪｜リアクション

ご奉仕あそばせっ！　秋はバニーなメイドでいかが♪

「バニーメイドさんですかぁ、可愛くて良いですね♪」
　巫部紫苑は、メイドカフェのチラシを見ていたはずだった。
　しかし気が付くと、あたりの様子が一変していた。
「いつの間にかお店に居ますね。服も変わってますし……」
「ようこそ。アルバイトの子だね？　こちらに名前を書いて」
　店長に声をかけられ、契約書を渡される。
「よく分からないですけど、メイドさんのアルバイトをすれば良いのでしょうか？」
　面白そうなことが好きな紫苑、わざわざ出向くのは面倒だけど、ここまでお膳立てされているなら悪くない。
「そうそう。君はバニーメイドにぴったりだよ！」
　メイドと言っても、紫苑の着ているのはバニーガール寄りのセクシーなメイド服だったが。
「ちょっと胸がキツイかもですけど、可愛くて素敵な服ですね」
　露出に抵抗が少なく、『可愛い＝セクシー』な感性を持っている紫苑は、衣装を気に入った。
（さてさて、それではご主人様やお嬢様にご奉仕致しましょうか♪）
　
「お帰りなさいませ……お席にご案内致します」
　おっとりとマイペースな雰囲気ながらも、メイドとしての仕事はテキパキと優雅にこなしていく紫苑。
「お嬢様、お飲み物のおかわりは如何でしょうか？」
　慣れた手つきで高い所から紅茶を淹れる。
　テーブルには一切零さず完璧な仕事ぶりに、他のテーブルからもため息が漏れた。
「すごい」
　近くで見ていた真白が目を丸くした。
（メイドさんの仕事もなかなかに楽しいですね）
　そう思いながら周りを見た紫苑は、こちらに視線を向ける真白に気づいた。
　真白はオーダーされた料理を運ぼうとしているところだった。
（一度にたくさんの料理を運ぶのは難しそうですわね）
　そう思った紫苑は、それとなくフォローに入る。
「お手伝いしましょう」
「ありがとう、助かるよ」
　真白は元気にお礼を言った。
（他のメイドさんも頑張ってる姿が可愛らしいです）
　そう思いながら紫苑はお月見プリンセットを運ぶ。
　大きなプリンがプルプル揺れた。
（それにしても、料理がどれも美味しそう……アルバイトが終わったら、私も頂いていっちゃいましょうか？）
　考えただけで笑みがこぼれる。
（ふふ、楽しみが増えました）
　メイドというには胸が強調し過ぎの紫苑の姿に、プリンセットを見ながらご主人さまは顔を赤らめたのだった。

このページにイラストを設定する