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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
ふわふわ、ぷかりの人魚日和
（お魚、綺麗……）
陽光降り注ぐ浅瀬。そのサンゴ礁で冬樹 闇は魚と戯れていた。泡はきらきら輝きながら浮かび上がり、魚たちもそれに乗って遊んでいる。
「平和……」
掌をつつく魚をそっと撫で、くすぐったそうに笑う闇。彼が泡に息を吹きかけると、口からも煌めく泡が流れ出る。
「きれいね」
不意に声がしたかと思えば、カクレクマノミを護衛につけた人魚、葉月の姿があった。傍らには元気いっぱいな甘桃の姿も。傍らにはイルカの姿。葉月は知り合いのイルカに誘われ、甘桃を連れて浅瀬へ遊びに来たのだ。
「……遊ぶ？」
闇がこてり、と首をかしげて問いかければ、甘桃が「うんっ！」と元気に頷いて泡に飛び込む。と、近くをイルカが通り、泡が波に乗って綺麗なループを描く。
「ふふ……、アクア……ブレス？」
闇は再びふわり、と泡を吐く。と、それは泡のリングをつくる。きれいな泡のリングに葉月と甘桃も、イルカたちも大喜びで踊っている。
……だが、彼の耳は不穏な音を感じ取った。
（何？）
顔を上げると、人間たちが『船』と呼んでいるものが近づいてきていた。水面の向こう、ぼやけた中に板状の物も見える。
「あーっ！ あの謎の板だっ！」
「待って！ 不用意に近づいてはいけないわ」
甘桃が近づこうとするも、葉月が止める。カクレクマノミたちが牽制するように前に出、闇は僅かに表情を険しくした。
「また……人間？」
おそらく、彼が出す泡が目印になってしまったのだろう。闇は胸を痛め、逃げるための方法を考えた。手に三又槍は持っている物の、傷つけないし、傷つけたくない。
（きめ細かな……濃密な泡を……）
と、闇が吹きだそうとした……その瞬間だった。
――ざっぱーんっ！！
大きな音と共に、クジラが姿を現した。その背中にいた真白はするん、と滑り落ちる。
「ふああ～……。んー？ ここ、どこ？」
真白が寝ぼけ眼を擦っている。闇は人間たちがクジラに気を取られた事に気付き葉月たちに目配せする。
「逃げよう？」
「それがいいわね」
葉月は頷き、状況を読めていない真白にもついてくるように促す。甘桃は「ばいばーい」と海面に小さく手を振ってから闇たちの後を追った。
――深海。
奥深くに戻ってきた４人の人魚たちは、大きな岩にそれぞれ腰かけていた。
「えー？ あれ人間の船だったの？ まったく気づかなかった」
「寝てたから、じゃない？」
真白が驚いていると、葉月が冷静にツッコミを入れる。甘桃はもっと遊びたかったなぁ、と上の方を見つめ、傍らで闇がぽわり、と泡を出して魚を遊ばせていた。
「そろそろ、大丈夫……かな？」
闇が泡を浮かばせながら水面の方を見ていると、ぼんやり光る魚たちが寄ってきていた。葉月が手を伸ばすと、魚は嬉しそうに寄ってくる。
「ふふ、元気そうでよかったわ」
「知り合いなの？」
真白が問うと、葉月はこくり、と頷く。と、魚たちがくるり、と輪をかいて尾びれを揺らす。まるでダンスに誘っているようだ。
「まぁ！ それは楽しそうね……」
「ダンス？ わたしもやりたいっ！」
葉月がちょっと目を輝かせると、甘桃が手を挙げて声を上げる。闇と真白も賛成し、魚たちと舞踏会が始まった。
ゆらめく光に、踊る神秘的な泡。４人の人魚たちと、魚たちのダンスはとても神秘的な光景だった。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
「……いい夢を見たわね」
気が付くと、朝になっていた。葉月は自室のベッドで目覚め、うっとりとした表情で僅かにほほ笑む。
彼女は朝食と身支度を済ませると、さっそくキャンパスに向かう。あの海の光景が、脳裏を離れないうちに、形しておきたいのだ。
（この色と、この色を混ぜて……、この筆を使って……。うん、とてもわくわくしてきたわね）
葉月はにっこり笑うとさっそく絵を描き始めた。
この夢が切欠で、しばらくの間海を画材に選んだ作品を残すことになるが、それだけ心に残っていた、という事だろう。
そんな、青い夢の、話。
（終）
陽光降り注ぐ浅瀬。そのサンゴ礁で冬樹 闇は魚と戯れていた。泡はきらきら輝きながら浮かび上がり、魚たちもそれに乗って遊んでいる。
「平和……」
掌をつつく魚をそっと撫で、くすぐったそうに笑う闇。彼が泡に息を吹きかけると、口からも煌めく泡が流れ出る。
「きれいね」
不意に声がしたかと思えば、カクレクマノミを護衛につけた人魚、葉月の姿があった。傍らには元気いっぱいな甘桃の姿も。傍らにはイルカの姿。葉月は知り合いのイルカに誘われ、甘桃を連れて浅瀬へ遊びに来たのだ。
「……遊ぶ？」
闇がこてり、と首をかしげて問いかければ、甘桃が「うんっ！」と元気に頷いて泡に飛び込む。と、近くをイルカが通り、泡が波に乗って綺麗なループを描く。
「ふふ……、アクア……ブレス？」
闇は再びふわり、と泡を吐く。と、それは泡のリングをつくる。きれいな泡のリングに葉月と甘桃も、イルカたちも大喜びで踊っている。
……だが、彼の耳は不穏な音を感じ取った。
（何？）
顔を上げると、人間たちが『船』と呼んでいるものが近づいてきていた。水面の向こう、ぼやけた中に板状の物も見える。
「あーっ！ あの謎の板だっ！」
「待って！ 不用意に近づいてはいけないわ」
甘桃が近づこうとするも、葉月が止める。カクレクマノミたちが牽制するように前に出、闇は僅かに表情を険しくした。
「また……人間？」
おそらく、彼が出す泡が目印になってしまったのだろう。闇は胸を痛め、逃げるための方法を考えた。手に三又槍は持っている物の、傷つけないし、傷つけたくない。
（きめ細かな……濃密な泡を……）
と、闇が吹きだそうとした……その瞬間だった。
――ざっぱーんっ！！
大きな音と共に、クジラが姿を現した。その背中にいた真白はするん、と滑り落ちる。
「ふああ～……。んー？ ここ、どこ？」
真白が寝ぼけ眼を擦っている。闇は人間たちがクジラに気を取られた事に気付き葉月たちに目配せする。
「逃げよう？」
「それがいいわね」
葉月は頷き、状況を読めていない真白にもついてくるように促す。甘桃は「ばいばーい」と海面に小さく手を振ってから闇たちの後を追った。
――深海。
奥深くに戻ってきた４人の人魚たちは、大きな岩にそれぞれ腰かけていた。
「えー？ あれ人間の船だったの？ まったく気づかなかった」
「寝てたから、じゃない？」
真白が驚いていると、葉月が冷静にツッコミを入れる。甘桃はもっと遊びたかったなぁ、と上の方を見つめ、傍らで闇がぽわり、と泡を出して魚を遊ばせていた。
「そろそろ、大丈夫……かな？」
闇が泡を浮かばせながら水面の方を見ていると、ぼんやり光る魚たちが寄ってきていた。葉月が手を伸ばすと、魚は嬉しそうに寄ってくる。
「ふふ、元気そうでよかったわ」
「知り合いなの？」
真白が問うと、葉月はこくり、と頷く。と、魚たちがくるり、と輪をかいて尾びれを揺らす。まるでダンスに誘っているようだ。
「まぁ！ それは楽しそうね……」
「ダンス？ わたしもやりたいっ！」
葉月がちょっと目を輝かせると、甘桃が手を挙げて声を上げる。闇と真白も賛成し、魚たちと舞踏会が始まった。
ゆらめく光に、踊る神秘的な泡。４人の人魚たちと、魚たちのダンスはとても神秘的な光景だった。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
「……いい夢を見たわね」
気が付くと、朝になっていた。葉月は自室のベッドで目覚め、うっとりとした表情で僅かにほほ笑む。
彼女は朝食と身支度を済ませると、さっそくキャンパスに向かう。あの海の光景が、脳裏を離れないうちに、形しておきたいのだ。
（この色と、この色を混ぜて……、この筆を使って……。うん、とてもわくわくしてきたわね）
葉月はにっこり笑うとさっそく絵を描き始めた。
この夢が切欠で、しばらくの間海を画材に選んだ作品を残すことになるが、それだけ心に残っていた、という事だろう。
そんな、青い夢の、話。
（終）
あとがき
担当マスター：
菊華 伴
ファンレターはマスターページから！
菊華です。
お待たせして申し訳ありません。
人魚日和、完成いたしました。
今回はちょっとした冒険に発展しました！
これもまたアクションの賜物ですね！
皆さんに素敵な夢を届けることが出来れば、と思います。
それでは、この辺りで。
また縁がありましたら宜しくお願いします。
菊華 伴
。。。。。。。。。。。。。。。。。
参加者の皆様へ
称号：人魚の夢
取得：白い貝殻
（いつのまにか枕元にあったもの。耳を当たると人魚の声が聞こえる……気がする）
お待たせして申し訳ありません。
人魚日和、完成いたしました。
今回はちょっとした冒険に発展しました！
これもまたアクションの賜物ですね！
皆さんに素敵な夢を届けることが出来れば、と思います。
それでは、この辺りで。
また縁がありましたら宜しくお願いします。
菊華 伴
。。。。。。。。。。。。。。。。。
参加者の皆様へ
称号：人魚の夢
取得：白い貝殻
（いつのまにか枕元にあったもの。耳を当たると人魚の声が聞こえる……気がする）
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2019年07月22日
- 参加申し込みの期限
-
- 2019年07月29日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2019年07月29日 11時00分
