梨ジュース化を阻止せよ！｜リアクション

梨ジュース化を阻止せよ！

　豪は絢子先生を担ぎながら走っていた。学校から包丁は調達済みだ。見つけ次第なんとかする。
　と、曲がり角に差し掛かった時である。誰かとぶつかりそうになって足を、止めた。
「！　ごめんなさい」
「ああ、大丈夫だ。ところで巨大な梨を見なかったか？」
　すると、ぶつかりそうになった相手、遠海が目を瞬かせる。
「あなたも探してるの？」
　巨大梨を追いかけてきた遠海だったが、途中で転がるスピードを上げ、見失ってしまったのだ。
　しかも絶賛迷子中である。
「ここは協力しようぜ！」
　遠海は少し考えて、
「そうね。その方が効率が良さそう。見た人がいれば良いけど」
　絢子先生を背負った豪と遠海は巨大梨を探して歩き始めた。

　着替えてスポーツセンターを出た桜はねこったーを開いた。
「目撃情報があれば良いけど」
　皆の呟きを見ていると、すぐに検索に引っかかった。
「あっちね」
　裏道を通って、一分前に呟かれた地点へ。
　見ると、巨大梨が通りを転がっていた。まずは動きを止めた方が良さそうだ。
「こうなったら」
　スポーツセンターから調達してきた鉄の棒を構え、駆け出した。
「はあああっ！」
　やり投げのように棒を投てき。しかし残念ながら当たらなかった。
「ねぇ、あなたっ」
　振り返ると遠海と豪が駆け寄ってきた。
「もしかして、あなたもあの梨を？」
　そう問われ桜ははっとする。どうやら彼女達も同じ目的のようだ。
「俺達でなんとかするしかないみたいだな！」
　三人は頷き合った。
「どうにか動けないように出来ない？」
　桜が二人の顔を見る。遠海は少し考えて、
「私が逃げ回って誘導して、動けなくなったところを皆で叩いた方が良いと思う」
「俺のろっこんが使えるかも知れないな」
　豪の提案を三人で話し合い、作戦を実行することになった。

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