植物にょきにょき大成長！！｜リアクション

植物にょきにょき大成長！！

●植物の戯れ

「うわー、なんだか街がすごいことになってるわ」

　白真白は眼前に広がる光景に感心していた。雑草から巨木まで、あらゆる植物が自由にどこまでも成長している。

「植物ってこんなに一気に成長するものなんだね。……まぁ神魂の影響なんだろうけど」

　パニックになることもなく、どこか前向きな印象を受ける発言だ。どうしようかと少し考えるが、現時点では分からないことも多い。一旦様子を見るために、真白はひとまず街を見て回ることにした。

「うーん、どこもかしこも成長した植物だらけ。でもこういうのもなんだか面白いかも」

　一部は多様な植物によって巨大な植物園のようになっていたり、絡まった植物同士で壁が生まれている。そんな光景に意識が逸れていて、自分に迫る蔦に気づかなかった。蔦は真白の足首に絡みついた。

「……って、うわっ！　ちょ、ちょっと何々！？」

　はじめは何が起こったか分からず、困惑する。足首に絡まる蔦に気づいたが、時すでに遅し。蔦はしゅるしゅると足を上っていき、衣服の中を抜けながら胴や腕にも巻きついた。

「うっ……思いっきり絡まった……。な、なんとか抜け出さないと」

　真白はどうにか蔦をほどくために手足を動かそうとする。しかし蔦が想像以上に絡まっていてなかなかうまくいかない。その過程で彼女は違和感を覚えた。

「これ変なところに絡まって……んっ……なんか変な気分に……力、抜けちゃう……」

　服の中に入り込んだ蔦が肌の薄い部分など、きわどいところにも伸びていた。真白が動くたびに蔦も一緒に動くため、そこを自分でなぞることになってしまう。

「これは下手に動けないし、ちょっと待った方がいいかなぁ……ひゃんっ！」

　そう思ったのも束の間。蔦が真白の体をさらに絡めるように、その手を伸ばす。

「……な、なんで、動いてないのに……あ、そっか。これ成長して蔦のほうが動いて……ひぁっ」

　こうなっては真白が動くかどうかに関係なく、この状態がひたすら続くのは想像がつく。なんでこんなことに、と真白は心の中で呟いた。植物の戯れに耐え続けていると、いつのまにか夕方になっていた。それらは徐々に元の姿に戻っていき、真白に絡んでいた蔦もほどけた。

「うぅ……ようやく解放されたよ……」

　ぐったりした体を引きずりながら、どうにか帰路についた。

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