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猫又川灯篭流し
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(この静かな空気、私は好きよ)
夢宮 瑠奈
は、さらさらと流れる川の音に耳を澄ませながら、ゆっくりと散策をする。
灯篭には、猫の絵をデコレーション。白猫と、黒猫を交互に描いていく。ここはねこのしまだから、きっと猫のご先祖様たちもやってきているだろう、と考えながらかわいらしい灯篭を仕上げた。
「こんばんは」
かわいい灯篭ですね、と声をかけてきた女性は、猫を抱いていた。
「こんばんは、ありがとう。……よかったら、少しお話して?」
「もちろん」
寝子島の灯篭流しは知らない人と会話をする決まりだ。二人ともそれを知っているから、快くうなずきあう。
「素敵な風習だね」
「ええ、そうですね。ほんとうに……」
少し余韻を楽しむように流れていくたくさんの灯篭を見つめながら、静寂が続いた後。瑠奈は不意にこぼした。
「あたし、……今をまっすぐみつめられているかなあ……」
「どうしたんですか?」
「ふと、思うときがあるの。前のこと」
引きこもっていたあの日々のこと。今は、きちんと向き合えているだろうか、と。
「過去を受け止めて、未来に送り出せているかなあって……」
「……」
事情はわからないけど、と猫を抱いた女性は優しく答える。
「そうして、悩んだり『まっすぐ今を見つめているか』って自問できるってことは、少なくとも後ろを向いているわけではないんじゃないでしょうか?」
「あ……」
「自分が前を向けているか不安になるのは、後ろを見ていないから。……きっと」
えっ、と女性を振り向いたとき、もうそこに女性の影はなかった。優しい夜風が、ふぅわりと瑠奈の頬を撫でるだけ。
「そっか」
――ありがとう。
誰かはわからないけれど、そっと背を押してくれたあのひとに感謝の気持ちを込めながら灯篭を川へと浮かべる。このつかの間の愛おしい時間を思いながら、ゆっくりと流れていく灯篭を見つめる。
小さくなって、やがて見えなくなるまで。
いつまでも、どこまでも。
長く長く続く、この寝子島の時間を大切におもいながら。
流れてゆく灯りを見つめ、
滝原 レオン
はぽつりと呟いた。
「……灯篭流し、やっぱり綺麗だなぁ」
毎年祖母と来ているから、見慣れた……というか、恒例の光景ではあるが、何度見たって見とれてしまう。
(……『ご先祖様を弔う大事な行事だから』ってばあちゃんは言ってたけど、そういうのを抜きにしても毎年来る価値はあるよな)
ぼんやりと思っていたら、鈴を転がすような少女の声が耳に飛び込んできた。
「綺麗だね」
声のほうを振り向くと、小学校低学年ぐらいの女の子がニコニコしてこっちを見ている。
――あぁ、灯篭流しに来たら知らない人と話をしなきゃいけないんだっけ。
「そうだね、綺麗だね」
不良を自称するレオンの見た目は派手だ。銀の髪に、釣り目がちな鋭い眼光。普通の子供だったら好んで話しかけようと思えるようなタイプではない。
(しかしこの子、俺に話しかけるなんてすげえな……)
……なんて思いつつ、その子の足元に目をやると、あるはずのものがはっきりと見えない。
(……透けてる)
つまり。
動揺を隠しつつ、その子に再び声をかけることにした。
「と、ところでパパかママはどうしたのかな?」
いくら人が多いとはいえ、こんな時間にひとりでこんな小さな女の子がうろついているのは問題だ。否、この世のものではないから大丈夫なのか?
……すると、その子の顔が曇った。ニコニコと火照った頬の赤みがすぅっと引いて、眉が悲しげに寄せられる。
「パパはいない、ママは私が嫌いなの……」
ぽつり。小さくか細く響いた声に、胸が締め付けられる。
「そっか……俺もなんだ。俺もママに嫌われてさ、小さい頃に捨てられちゃったんだ」
似ているな、なんて付け足すこともできず、でも、なぜか話してしまった身の上。哀しそうにしていた少女は、そっかぁ、と言って、そしてちょいちょいとレオンの服の裾を引っ張った。
「しゃがんで?」
「え? うん……?」
そっとかがんで、少女と目線を合わせる。うん、とほほ笑むと、少女は黙ってレオンの頭に手を置き、そして優しく髪を撫でた。
「っ……」
なぜか、懐かしい気持ちになる。始めて会ったはずなのに。小さな少女の手のひらから伝わる優しさが、妙に鼻の奥をつんとさせる。頬を何かが伝ったのを感じて、急いで袖で拭って顔を上げた。
「あれ……」
彼女はもういなかった。
――あぁ、きっとあれは。
「ありがとう、ねえちゃん」
小さな声で礼を言う。
生きて会うことは叶わなかった『姉』の存在を感じながら、レオンはゆるりと空の灯りへ視線を移すのだった。
若草色の浴衣に、涼やかな鼻緒の下駄、髪もしっかりと結い上げて……猫又川へと足を運んだ
御巫 時子
はきょろきょろとあたりを見回した。灯篭流し、確か行くって言っていたはず……。
「あっ」
川のほとりに、
五十嵐 尚輝
の影を見つける。いつものぼさぼさの髪に、薄汚れた白衣、足にはサンダルをつっかけての参加だ。
「ああ、御巫さん」
長い前髪の隙間から、時子の姿を確認すると控えめに会釈をする。
「お隣いいですか?」
「どうぞ」
小さなベンチに腰かけて、灯篭に絵をつけていく。時子は、さらさらと鳥の絵を描いていった。
「鳥、ですか」
「はい。鳥さん好きのご先祖様もいらっしゃると思うんです」
かわいいですね、と五十嵐先生は小さく笑う。まるで実験室に来る子みたいだ、と。
「尚輝先生は何を書かれたんでしょうか?」
絵があまり得意ではないというのは知っているけれど……。時子は五十嵐先生の手元をそっとのぞき込む。
「……鳥さん? ですよね」
「あ、ちゃんと鳥に見えます? よかった」
最近窓のところによく来る鳥を描いてみました、と真顔でいうものだから、なんとなくなごんでしまう。描き上げると二人はゆっくりと立ち上がり、川へと向かっていった。灯篭の灯りが、ゆらりゆらりと流されていく。見とれそうになったところで、五十嵐先生の声が。
「足元に気を付けて」
「あ、はい!」
下駄は余計に転びやすい。慎重に川べりへと到着すると、その手で川面に灯篭を浮かべた。たくさんの灯篭に混ざるように、二人の鳥の灯篭が流れてゆく。
「綺麗ですね……」
ゆっくり、ゆっくりと灯篭は二人の元を離れていく。それを見つめていた時子だったが、ふいに傍らで同じように川面を見つめる先生の顔を見やった。 横顔が、薄明かりに照らされている。
(……好きな人とこうして見れて嬉しいです)
ちいさく、幸せなため息をこぼす。
「この灯篭の光が誰かのご先祖様を癒す光になったら嬉しいですね」
「そうですね……」
思いを込めて描いたから、と時子は愛おし気に目を細める。
「流れてる灯篭の一つ一つにご先祖様への思いが込められてると思うと、大切にされてるご先祖様は嬉しいと思います」
「……きっと、自分の縁者のものを見つけて喜んでいるご先祖様も多いでしょうねぇ……」
「名残惜しくなってしまうかも?」
「はい……けど、来年もまた、会えますよ」
ね。と五十嵐先生は薄く笑った。さあっ、と風が吹き、彼の髪を揺らす。
「あっ」
川の少し先のほうに、時子が描いた鳥の灯篭を見ている人を見つけた。なんだかうれしくなって、ちょっと行ってきます、と、時子はぱたぱたと早足で駆け寄る。
「鳥さん、お好きですか?」
「え? うん。……これ、あなたが描いたの?」
とってもかわいいね、と中年女性が笑いかけてくれた。
「はい! ありがとうございます」
はた、と気づいた。その女性の足が、透けている。けれど、わかっている。今日はそういうことも起こりうる日だ。
それに、不思議と怖くない。幽霊と言われても、こうして朗らかにほほ笑まれると違和感もないものだ。
「安心して、帰れそう。私にはあまり縁者がいないのだけれど、……かわいい灯篭をありがとうね」
すっ、と女性が消えてしまった。ゆっくりと後ろをついてきていた五十嵐先生は、おや? と首を捻る。
「先ほど、女性の方と話していませんでしたか?」
「はい。もう、行ってしまいました」
「そうですか」
深くは問わず、五十嵐先生は川面をまた見つめる。
「綺麗ですけど切なくなりますね……」
ゆら、ゆらり。
流れゆく灯篭を見つめ、そんな風にこぼした時子。
やがて終わる美しさだからこそ、切なく思うのだろうか。
灯篭流しの夜は、ゆっくりと更けていく――。
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あとがき
担当マスター:
寿ゆかり
ファンレターはマスターページから!
不思議な体験がたくさんでした。ありがとうございました。
夏は不思議なことが起こりやすい季節です。
寿は見えませんが、ぶつかります。
ええ、ぶつかります。
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担当ゲームマスター
寿ゆかり
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年04月30日
参加申し込みの期限
2019年05月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年05月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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