全力疾走！　寝子島横断三人四脚駅伝！（第三区間）｜リアクション

全力疾走！　寝子島横断三人四脚駅伝！（第三区間）

●駅伝後半戦

　第三区間の目印である寝子ヶ浜交番では各選手たちが控えていた。緊張した雰囲気のなかに勝負へのこだわりも感じられる。

「第二区間の走者が見えてきました！」

　リポーターが走者たちを見つけると、興奮気味に伝える。１位でやってきたのは【鹿】チーム。続いて２位が【猪】チーム。３位が【蝶】チーム。しかしほぼ団子状態で各チームの差は数秒。そこからやや離れて後続グループも追いかけてきている。まだ勝負はこれからのようだ。

　第三区間の【鹿】チームの構成は神野美野梨、新田樹、串田美弥子の3人。樹の発案でゴーストバスターズのコスプレをしている。しかしただのコスプレではない。走りやすさを考慮して作業着を使っている。また服だけでなく水の入ったタンクを背負っており、そこからノズルが伸びている。

（水の圧力上げれば牽制できそうだしね）

　コスプレを楽しみつつ、実用性を持たせる一石二鳥の作戦といえる。しかし水が多いと走りにくいので樹はタンクの半分、美野梨と美弥子は４分の１程度に留める。
　美野梨はねこみゅ仲間である恵御納夏朝に一言労いの言葉をかけた。そしてボールの乗ったスプーンを持ち、少し腰を落としてバランスを取りやすくすると、お互いに声を掛け合いながら息を合わせて走りだす。

　そのすぐ後ろには【猪】チームが迫っている。メンバーは楡宮遠海、遠藤健、大沢ゆずかの３名。それぞれ猫又、猫柄ジャージ、猫耳と猫一色パーティ。スプーンは遠海が持っている。【猪】チームは事前にバランス重視の作戦に決めていた。三人四脚でスピードとバランスの両立は難しいだろうと判断した。遠海は『ゾーン』と呼ばれる集中状態を目指す。

　そして３位の【蝶】チーム。構成はバナーテイル・シートン、相原まゆ、三宅ゆり。うさぎの尻尾やハリネズミの帽子を身に付けており、小動物チームといったところ。身長差はあるものの、バナーテイルの提案で歩幅などの調整は済ませているので問題ない。

「とにかく、せーのっ。１・２・１・２」

　バナーテイルの掛け声にあわせて３人は進む。走り出しはどのチームも順調だ。
　しかしこのレースが何事も無く終わるはずがない。

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