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道行くバニーは突然に
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●秘密を言ってもとに戻ろう
「秘密……」
絢がとっさに思いついたのは、部活での出来事だった。でもこれを言えば、きっと真優理にからかわれるだろう。
(でも、言わないとそのままなのよね……)
「絢ちゃんならそのままでもいいと思うわよ」
やっぱりなことを真優理に言われるも、さすがにそれでは日常生活が大変なことになってしまう。
絢は意を決して、口を開いた。
「演劇部の稽古で、間違った役の台詞を覚えて延々とそれをしゃべってしまったの……」
「ふふ、記憶力がいいのねえ」
違った観点で、真優理は楽しそうに言った。その間にも、絢の衣装は、ぽん! っと制服に戻る。
真優理がもったいない、と唇を尖らせた。
「でもまあ、ここは寝子島だし? バニーになる機会はまたあるわよね、きっと」
「なくていいわ……」
絢が、疲れ切った口調で肩を落とす。
「今度は真優理さんの番よ」
「えっ……ああ、そうね」
真優理はそれまでの笑顔を一変、困惑顔になった。眉が下がり、唇が真一文字に結ばれる。
「そんなにまずい秘密でもあるの?」
「うーん、まあ……でも言わないと、この後仕事だし……」
「さすがに、この恰好でコンシェルジュはできないものね」
「絢ちゃん、耳ふさいでてくれない?」
「真優理さん、私の聞いたのに」
絢に軽くにらまれ、真優理は「そうよねえ」と呟いた。
そして極々小さな声で、口にする。
「実は……絢ちゃんのデジカメ、壊しちゃったの」
「真優理さん……。この前のデジカメ、やはりあなたが……」
言いかけた絢の前で、真優理は「ごめん!」と手を合わせた。
「今度新しいの買ってあげるから! ね? もちろん最新型!」
「まあ、形あるものは壊れてしまうものだし……仕方ないわよね」
絢ははあっと息を吐いた。
※
秘密、と聞いて。
さゆるがとっさに思いついたのは、遠い昔の出来事だった。
「……でも、あの秘密はさすがにヘビーすぎるわね」
(あたしが、殺人者だってことは……)
実父に襲われかけたさゆるは、もしかしたら被害者かもしれない。でも、正当防衛を主張することはできなかった。だって自分も、加害者だ。
――今その秘密はすべて、数時間もかけて堀った穴の中に眠っているけれど。
さゆるは鞄の中にスマホをしまった。
知っている男にも、知らない男にも、会う気分ではなくなったし、なんにせよ、このバニーをなんとかしなくてはならない。
「とりあえず、この辺を見て回って、暇つぶしでもしようかしら。……あの馬鹿な男を振りきってから」
さっきから、自分を露骨に見つめている男。
案の定声がかかるが、さゆるはあっさり無視して、背を向けた。
それでもめげず、口説いてくるのを聞き流している間にも、さゆるは秘密のことを考える。
さすがに、最後の一人になって注目を集めたくはない。
なにかを言わねばならないだろう。
諦めた男が去るのを待って、それならと、世間の多くの人にとって、秘密にしたいと思われることを、呟いた。
「……セフレのマンションで一夜を過ごした後の、朝帰りの途中よ」
ぽん! と音を立てて、さゆるは高校生の姿に戻った。
だがそれは、恰好だけ。気持ちはいつものさゆるのまま。
「……この程度の秘密なら、聞こえたところで別によかったわよ」
彼女はそう言って、寝子高とは逆の方向へ歩き始めた。
※
「秘密ですか……」
マーガレットが、ピンク色の唇を引き結ぶ。
(秘密というのは、言わないから秘密なのであって、こんなところで叫ぶことなんてできるわけがないじゃないですか……っ)
でもずうっとこの服のままでは、いかにせん日常生活に支障が出てしまう。
どうしたものかと考えていると、蒼留人が「よし!」と胸を張った。
「さっさと言って、もとの格好にも戻るぜ!」
でも正直に言えば、何を言えばいいのかわからない。
「あまり複雑な内容だと目立ったままこの姿を見られ続ける羽目になるし。早く考えないと……かといって変なことを言えないしな……」
蒼留人は腕を組み、ぶつぶつと独り言を言い始めた。
「……アレか? いや洒落にならん。やめよう。剣道の胴着が臭い話……は、有名すぎて秘密じゃないよな。でもあの話をすると、俺の人間性が……かといってこれは……うーん」
早く言わねばと言いつつ、どれくらい悩んだだろうか。
「よし、決めた! これだ!」
蒼留人はぱっと顔を上げた。そして、自信満々、きらきら笑顔で。
「……ハンカチで汗を拭いたら姉の下着だった!」
「はっ!?」
マーガレットが叫ぶ。
「姉の下着をハンカチとか……それは、その……勇者ですね」
「いやあ、あのときはマジで焦ったぜ。あいつがいたずらで、新品の下着をポケットに仕込んだんだ。それを気になる女の子の前で使っちゃってさあ。哀れむような目で見られたぜ……」
蒼留人はそのときを思い出したのだろう。だんだん語尾が小さく小さくなっていく。
だがその様子こそ、マーガレットには眼福の極み。
「……そのうっすらと汗をにじませて恥じらう表情……悪くないですよ」
彼女は、二人に聞こえないように呟いた。
もちろん心の中で、お姉さんGJ! と賛辞をおくる。
そんなマーガレットの気持ちは知らず、いや、知られても困るのだが、かようはつんと唇を尖らせていた。
「なにそれ自慢? 俺も、いいにおいしたふわふわの姉ちゃんとかほしかったなー。寮は響と同室だし、野球はそりゃ楽しいけど、男ばっかだしな~」
「はっ? 俺と同室が不満なのか? ってか姉ちゃんって別に、いい匂いとかしないぞ。まあ男よりは……あれかもしれないけどっ」
「いや、姉ちゃんはいいにおいって決まってんだろ! なあ、マーガレット」
「な、なんでそこで私に話を振るんですか? セクハラですっ! それは響君にしてください!」
「なんで俺なんだよ、関係ねえだろっ!」
三人の中で唯一、制服姿の蒼留人が吠える。
「もう黙れよっ! 次はお前たちの番だからな!」
とりあえずもう自分から話題をそらしてしまおうと、蒼留人はかようを指さした。
「やべーな」
かようが、うさ耳を揺らして、前髪をかき上げる。
「や、やばいって……そんな重大な秘密があるのか?」
姉のパンツより面白いことかと、蒼留人は期待の眼差しでかようを見た。
しかし、かようはしれっと。
「俺秘密とかないから、生涯このままだわ。ま、かっこいいからいいか?」
「ってそれはないだろ! お前その格好で平気なのかよ?」
蒼留人が、かようのうさ耳を掴んで、思い切り引っ張る。
「ちょ、これ取れないんだから! 首が抜けるっ!」
「抜けてしまえっ! なんだよ、なんで秘密がないんだよっ! っていうかその恰好で本当にマウンド立つのか? アイドルの始球式じゃないんだぞ! せめて背番号はつけろ!」
「なんか既に論点ずれてますよ?」
もはやじゃれ合っているふうにしか見えない男二人のやり取りに、マーガレットはふふ、と微笑んだ。
「野球には表と裏があるのに……高杉君には裏表がない、と。まっすぐな野球青年、いいですね……」
そこで、きりっと背を伸ばし。
「でも、奇遇ですね、私にも秘密などありません」
「え、ほんとに?」
必死の表層でかようバニーの耳を引っ張っていた蒼留人が、真顔になる。
「ええ」
マーガレットはきっぱりと頷いた。
(というか、秘密なんて、星ヶ丘の家に戻って部屋でシャウトすればいいですもんね)
「なんでっ! 俺だけっ!」
蒼留人が地面に両膝両手を突いて、がっくりうなだれる。それから彼は顔を上げ、かようとマーガレットを順ににらんだ。
「っていうか秘密ないなら、お前ら、明日になってもその恰好でいろよ? もし戻ってたら、しつこく聞くからな!」
ぎりぎりと悔しそうな様子に、かようは声を立てて笑った。
「そんな怒るなよ。秘密、誰にも言わないしさ」
「叫んだんだから、ばれてるに決まってるだろ!」
「いやなんだったら、もっと他のものを選べば良かったじゃないですか。選択ミスですよ」
「あああっ……」
頭を抱えてうずくまる蒼留人の肩に、かようはとんと手を置いた。
「まあまあ、そう気を落とすなって。っていうか、バニーのがかっこよかったぞ、お前」
「なんでっ、それを今、言うんだっ!」
蒼留人がかように掴みかかる。
「恥ずかしい服装から逃れた俺が一番恥ずかしいってどういうことだよ? これなら……あああっ」
突如叫んだ蒼留人を、かようとマーガレットがきょとんと見やる。
彼は言った。
「ろっこんつかって、刀になればよかった……その方がましだった……」
※
「……秘密? どうしよう、思いつかない……」
結華はその場に立ち尽くした。
でも周囲の人は、どんどんバニーから元の姿に戻っている。……戻ってない人も、一部いるけど。
「みんな、どんな秘密を叫んでるのかしら?」
結華は、耳をすませて、周囲の告白を聞いてみた。
すると、真っ先に飛び込んできたのが、若い男の子の声だ。
『ハンカチで汗を拭いたら姉の下着だった!』
「それは……!」
くすくすと笑いながら、声の出所を探すと、制服姿に戻った男子生徒が、友達たちにからかわれているのが見えた。
「楽しそう……。そうか、難しく考えなくても、なんでもいいのね……」
それならば、と、思いついたことを口にする。
「怖い夢を見たら、今でもパパとママの寝室で一緒に寝てますー!」
言って数秒後、ぽんっといつもの制服姿に戻ったのを確認し、ほっと安堵の息を吐く。
……が。歩き始めた途端、じわじわ顔が熱くなってきた。
(冷静に考えると、バニーになるより、さっきの秘密を言った方が、恥ずかしいかも……!)
意識してしまうと、もうここにいることすら、照れくさい。
結華は、頬を染め走り出し――道にうずくまっているバニーガールを見つけた。
※
「秘密なんて……どうしよう……」
桜は、膝を抱えて屈んだまま、呟いた。
どうしようもなにも、このままじゃ、らちが明かないのは言うまでもない。秘密を言うより、他はないのだ。
ちら、と顔を上げれば、周囲にはバニーから制服へと戻り始めた、寝子高の学生姿がちらほら見える。
(私も、もとの姿に戻らなくちゃ……)
桜は、秘密秘密、とこの場で言ってもそれほど問題にならない秘密を、考え始めた。こんな恥ずかしい恰好をさらしたのに、恥ずかしすぎる秘密まで告白したとあっては、もう学校どころじゃない。穴にもぐってしまいたくなる。
「うう……」
うなりつつ、頭はぐるぐるフル回転。
――と。
「遅刻しますよ」
とん、と肩を叩かれ、背中にふわり、制服をかけられた。
「えっ……?」
振り返ると、寝子高の制服を着た女子生徒が、笑顔でこちらを見つめている。
「背中が、丸見えだったので。余計なお世話してしまいました」
「えっ、あの、えっ!」
彼女――結華は続けた。
「実は私もさっきまでバニー姿だったんです。耳ふさいでますから、早く言っちゃった方がいいですよ?」
背中を向けて、言葉通り耳を塞いだ結華に感謝し、桜はやっと思いついた秘密を口にする。
「この前買い物に行った時に、『現金ですか?』って聞かれたのに、『はい、元気です!』って答えちゃったの!」
数秒後。
桜は、ぽんっ! という音とともに、いつもの制服姿に戻った。
「あの、ありがとうございました」
立ち上がり、肩にかけられた制服を結華に返す。
「困った時はお互い様、です」
結華はにっこりと微笑んだ。
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あとがき
担当マスター:
瀬田一稀
ファンレターはマスターページから!
このたびは、ひさしぶりに提出した、かつ趣味に走ったシナリオにご参加いただき、ありがとうございました。
みなさん素敵なバニーになっていて、ついついアドリブいっぱい入れてしまいましたが、大丈夫だったでしょうか?
キュートもセクシーもファニーも、バニーならオールオッケー!
文字でこの楽しさをいかほど表現できたか、みなさんにいっときの笑いや安らぎをお届けできたか、ドキドキです。
今回は、楽しく書かせていただき、ありがとうございました。
またご縁がございましたら、よろしくお願いいたします。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
お色気
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月23日
参加申し込みの期限
2018年03月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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