久保田先生の女子力アップ大作戦！　外見編！｜リアクション

久保田先生の女子力アップ大作戦！　外見編！

　日曜日の朝。久保田美和・２８歳。
　習慣で平日と同じ時間に起床した後だらだらとテレビのチャンネルを回し、服屋に何を着ていいか迷った末に仕事用の服を着て家を出た。少し遅れて、久保田先生の隣の部屋のドアが開きスーツ姿の美青年、アケーチ・タッマーキが出てくる。タッマーキは久保田先生の隣に引っ越してきたばかりである。本日は隣人である久保田先生に挨拶へ伺うところであった。タッマーキが久保田先生の背中を見て少女漫画であれば背後が花畑状態であろう優雅な微笑みを浮かべながら口を開く。
「ふ、ふふふ……！　初めまして、お隣さん……！」
　久保田先生はタッマーキに声を掛けられていることに気が付かなかった。
「雑誌とネットである程度のイメージはできてるから、実際に着てみてぶつぶつぶつぶつ」
　今日の予定を口に出しながら歩いている。完全なるスルー。通常なら怒ったり戸惑ったりする場面だが、タッマーキはドM気質の変態である。おや、と冷静に久保田先生を観察した。
「お隣さんは考え事で忙しいようですね。これからお仕事でしょうか。暇ですし、ちょっと尾行してみましょう。ふふ……！」
　タッマーキは電信柱の陰から陰へささっと移動しながら、久保田先生の背中を追いかけ始めた。

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