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寝子島高校
いちご^3
●イチゴ
「198円……、あやしぃ」
とある休みのお昼過ぎ。場所は寝子島旧市街。新旧の家屋が入り混じる区画にて1台の移動販売車は主婦の人だかりを作っていた。
佐藤 瀬莉
は黒いツインテールをゆっさゆっさと揺らしつつ、物陰から車に熱い視線を送っている。
「平穏な島に現れた一台のボロ車。その荷台には山積みにされた安売りのイチゴ。でもって手売りをしている怪しいサングラス姿の二人の男――」
大人からすればただの移動販売。しかもスーパーよりもお手頃な価格でイチゴが販売中である。しかし彼女の眼にはどれもが怪しく映る。
瀬莉の頭脳は加速度的に回転を増していく。思い描く男共の背景。そこに描かれる巨大な悪の秘密結社。2人はきっとそこから闇のイチゴ売りとして派遣された戦闘員に違いない。
――などと、最近読んだ漫画を下敷きに妄想する。
「これは事件の臭いがプンプンするわ」
今や彼女は島の平和を守る正義の味方の気分だった。
「やっぱ安いって正義だな」
主婦が車の周りで井戸端会議をする中、
御剣 刀
は千円札で買えるだけのイチゴを手に入れた。
袋の中を覗き込む。イチゴの粒は大きい。5パックともなればしっかりとした重さだ。見た目も鮮度も悪くはない。ましてや粒ぞろい。スーパーなら今の倍以上はするだろう。
刀はさっそくイチゴを頬張った。甘くて酸っぱくて程よい酸味が香りとなって鼻孔を突き抜ける。ほのかに残る後味はいつまでもイチゴの感触を思い出させる。
まあ産地が複数ある割に味が同じなのは気になるが。
「でもこれで198円はなぁ……」
視線の先では男2人が主婦の対応をしている。見る見るうちにイチゴの品数が減っていく。購入者の大半は値段で満足して品質や産地は二の次のようだ。
「このイチゴならもっと高くてもいいんじゃないんですか?」
刀は素朴な疑問を男にぶつけた。
イチゴから感じる確かな価値とそれに対する評価が釣り合っていない。だが男は言った。
「お前さん、価値観がスーパーに毒されてるな。値段なんていうものは、売り方ひとつでどうにでもなるんだよ」
細身の男による当たり障りのない言葉に刀は頷いた。
確かに諸々の費用を全て省く事が出来るならば、価格を圧縮する事だって不可能ではないだろう。
「安くて美味くて高品質は理想だし、俺らからすれば助かるけど」
しかし198円である必要はない。
「じゃあそれでいいじゃねぇか。よし解決だ、じゃあな」
背の高い男は笑顔で刀の肩を軽く叩いた。
イチゴの在庫がかなり減ったのを見て、背の高い男は集まる客に移動を告げた。帰路へとついた人々は値段に満足した様子だ。
車を見送る刀は煙に巻かれた心境だった。そこに瀬莉が近づいていく。
「あれはね、悪だくみをしている顔よ」
「んなバカな」
その声に刀は振り向いた。
瀬莉は携帯端末のモニタを刀に見せる。モニタには寝子島の全体地図が描画されていた。中央にはGPSマーカーらしきものが1つ見える。
「世間の平和をこっそり守る、通りすがりの正義の味方! なんてね」
何となく腰に手を当てて恰好を決めてみたものの刀の反応はいまいちだった。
「随分小さい正義の味方なんだな」
「……いいの、何事も限界があるんだから」
軽く咳ばらいをしつつ瀬莉は調子を整える。
「で、あたしはあの車を追うけど、一緒にくるの? どうするの?」
「もしかして、その地図」
彼女の持つ携帯端末のモニタを刀は指さす。
「もしかするもなにも、イエスザッツライト。これはGPS追跡よ」
「待ってくれ、話が見えない」
刀は車の向かった先を指さしている瀬莉を手で制した。話が全く見えてこないのだ。
それを受けて瀬莉はやれやれという表情を浮かべた。軽く嘆息して諭すように言う。
「わかってないわね。あのサングラスがばらまいているのは、毒イチゴなのよ。恐らくあいつらは、寝子島を狙う悪の秘密結社なの。あたしたちは、それを止められる唯一の希望なの」
「毒だって?」
訝しげな顔で刀は首を傾げた。ふと考えて彼はイチゴを一粒差し出した。
「あなたの持ってるそれ、イチゴよね」
食べてみるといい。そういう顔で刀は瀬莉を見る。
「わかったわよ、ちょっと毒見するだけよ」
大粒のそれを瀬莉は渋々一口かじる。唸りつつ、頷きつつ、何度も咀嚼する。また一口、二口、三口。そうしているうちにイチゴを丸々平らげて――。
「おかわり」
彼女は刀に手のひらを突き出した。
「結局食うのかよ!」
「あれは本当に恐ろしい毒だったわ。あたしとした事がまさかイチゴ中毒になるなんて――」
瀬莉の迫真の演技。刀は呆れた目でそれを見ている。
「その割には美味しそうだったけどな」
「そ、そうね……」
鋭い突っ込みだった。だが瀬莉は涼しそうな顔で受け流す。
2人はGPSの位置を追跡しつつ旧市街の道を歩いていた。角を曲がり、坂を進む。そして行き着いた場所は寝子島神社の駐車場だ。
休日ともあり参拝者の車が何台か見える。移動販売車は駐車場の端に停車していた。
「誰も乗ってないね」
「休憩中なんだろ」
車を観察する瀬莉に周囲を見渡す刀は答えた。
「で、何かわかったのか?」
「イチゴが全部売り切れてるっぽい」
「ま、当然か」
刀は神社の境内に目を向ける。そこでメモ帳を広げて話し合う男2人を見つけた。それはまるで何かを探している様子だった。
不意に瀬莉が動いた。
颯爽と男2人の所に駆け寄ると瀬莉はビシっと人差し指を突き付ける。
「見つけたわよ、悪の戦闘員! あんたたちが安売りしているイチゴが、悪の秘密結社の活動資金だというのはまるっと全部お見通しなんだからね!」
「ほう、よくここがわかったな」
細身の男は様子を見ている。
「当然よ。あんたたちの行動は、あたしの携帯が監視してるんだから」
その言葉に男は携帯端末をジャケットのポケットから取り出した。目の前でそれを見せつけられた瀬莉は驚く。
「え、嘘ぉ! ちゃんと隠したのに!」
「電源入れてりゃ来ると思ってたが。ほら、今度から追跡するなら見つかっても良いモン使いな」
携帯端末を手渡された彼女は悔しそうな表情を浮かべていた。
「物好きだな、オメーら」
男は刀の存在に気が付くと軽く嘆息する。刀はただただ苦笑していた。
●自由
ヤスケと名乗った背の高い男は言った。
彼はソウキチという小太りの男と2人で活動している何でも屋だ。
自由の代償として胴元に締め出された農家は少なくない。そんな農家を相手に取引をしているのがこの2人らしい。濁してはいるが、自由に作物を育てる農家からすれば地獄に仏なのだ。
――あくまで彼らの話を要約した内容だが。
「だからよ、流通を奪って胴元から睨まれても困るわけよ」
「そうですか」
ヤスケの話に刀は一応の納得をする。
「そこのお嬢ちゃんにはあんま歓迎されてないみたいだな。おし、じゃあ俺らはこの辺りでオサラバさせてもらうぜ」
返事を待たずにヤスケは車へ移動する。
「それじゃぁね。アニキ、待ってほしいッス」
ソウキチは刀と瀬莉に手を振りつつヤスケを追った。
2人が見詰める先で移動販売車は黒煙を吹かして神社の駐車場を後にする。
「怪しい、あれは絶対何かを隠してるのよ」
悔しさを滲ませつつ瀬莉が帰っていく。その後ろで刀は神社の境内を見つめていた。
あの2人は島へ何をしに来ていたのだろうか。今となっては何もわからない。
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あとがき
担当マスター:
RAGING ARMS
ファンレターはマスターページから!
彼らは何を探していたんでしょうね。
また何を隠しているんでしょうね。
人を騙すとき、ほんの少しの事実に嘘を織り込むと、成功率が上昇するものです。そこに雰囲気が加わるとなかなか手出しできなくなります。
そんな時は、ハッタリを武器に頑張ると良いでしょう。たぶん。
スキルと100面ダイスによる判定がないので、この辺りのさじ加減はちょっと難しいです。ブラックボックスである以上、結果次第では恣意的ととらえられることも十分ありえます。あるいはご都合主義とも。
だからこそ自ら行動することへの意味を深めつつ、その重要性を追及し、行動(想定)自体を判定していく状況の強化。また想定や仮定・仮説を実験してみる機会を増やしていきたいものです。
それでは
次のシナリオで会いましょう。
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担当ゲームマスター
RAGING ARMS
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月11日
参加申し込みの期限
2016年07月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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