寝子高1年の
御剣 刀は、放課後に教室で1人佇んでいた。
部活がないので、少し考え事をしていただけだが、唐突に誰かの嫌な視線を感じて立ち上がる。
周囲を見るが、誰も見当たらない。
すると、次の瞬間――
「!」
刀はドッと冷や汗をかいて、固まった。
背後の首筋に、誰かの存在を感じる。いつのまにか、背後をとられた?
警戒していたにも関わらず、何故……?
戸惑い、固まったままの刀の背後から、小さな声が聞こえてきた。
「クローネを知ってるか~い」
刀は一瞬考える。
クローネはフツウを脅かす存在。知らないわけがない。だが、ここでどう答えるべきか。いかにも怪しい者に知っていると答えて、このあと自分に降りかかる未来は決して明るくない。
頭ではそう考えながら、考えるより言葉が速く身体を出ていた。
「知っている」
と同時に、ろっこん<加速>を発動!
言葉が出るよりも速く、背後の敵を殴るべく……振り向く!
が、拳は空を斬った。
振っても振っても、ただ空を斬るばかり。
背後の者は、刀がどこを向いても刀と同じスピードで動いて、常に「刀の背後」にいる。
「お前の動き、速いねえ~。びっくりしちゃったよお~」
「ろっこんか……?」
探りを入れながら、背後の者を窓に写してみる。
黒い人間のようなものが背中にいた。厄介な敵だ……。
「俺なんてよお~、ゆっくりしか動けなくてねえ~」
刀の背中にチクッと何かが刺さる。
その途端、身体から力が抜けていくのを感じた。
刀は悟った。このままでは殺られる。手を打たなくては――
背後の者はゆっくりゆっくり語っている。
「お前らよお~、知りすぎちゃってんだよお~。いない方がいいんだよお~」
マスターの梅村です。
たまには真面目に真面目な戦いのシナリオをやってみます。
◆概要
あなたは「背後の者」に背後をとられて、ゆっくり力を奪われそうになっています。
今は、周囲に人がいません。あなたが1人になったところを狙われたようです。
学生は、学校の中でたまたま1人になったときです。
社会人は、職場か自宅でたまたま1人になったときです。(選んで説明してください)
服装や持ち物は、ごく自然なものであれば自由です。
ただし、一般的に武器と見做されるようなものは不可です。
剣道部でも今は竹刀がありません。射撃部も、弓道部も、いわゆる武器に近いものは持っていません。
クローネのことなどを知っている人物が狙われてるようですが、
知らないのにたまたま狙われてしまうケースもあるようです。ひとももれいびも関係なく。
関係ないはずなのに狙われた人は諦めてがんばってください。(シナリオへの参加はもちろん大歓迎です)
◆背後の者
複数います。PCさんそれぞれに別の「背後の者」がいます。
自分の「背後の者」を倒せば終了で、他の人の「背後の者」への影響はありません。
基本的に、常にあなたの「背後」にいます。
目も口もなく全身真っ黒ですが人型で、実体を持って存在しています。
肉体の強さは、屈強な人間と同レベルのようです。
触ったり殴ったりできますが、普通に背後に向けて攻撃しても力が入らないので工夫が必要でしょう。
工夫して倒す(殺す)ことで、終了します。
※うまく倒せなかった場合、キャラクターがかなりの傷を負うことになるので、お気をつけください。