「……僕だよ?」
出来る男。寝子島高校の教頭先生こと、
黒崎 俊介。
端正なマスクは常に微笑みで彩られ、道行く生徒たちはみな彼を振り返り、尊敬と憧憬の眼差しと共に彼の名を呼ぶ……
といったことは、これが何故だか、全然無かったりしまして。
お茶目でチャーミングな校長先生ですとか、華やかな美貌の理事長先生などのインパクトに押されたものでしょうか、この若さで学校の要職を務める優秀な人材である割りには、どうにも彼はいまいち影が薄いのでした。
「どうしてみんな、僕のことを覚えてくれないかなぁ……」
そんな風に日々悩みを募らせる、黒崎先生を見かねたのでしょうか?
あるいは
神様が、彼に応えてくれたのかも知れません。
「ハッ……!? こ、これだ……!」
ある朝、先生の脳裏に、天啓が走りました。
折りしもこの日は、生徒たちにとって大事な、
二学期中間テストの当日。
「これだ、生徒のみんなに僕の印象をびしっと刻み付けるには、これしかないッ!」
だだだだだっ! 先生は走り出し、どかんと扉を開いて、叫びました。テストを前に打ち合わせ真っ最中の職員室の中、ぽかんとした教職員一同の前で。
「本日のテストは、エクストリーム・スポーツ形式に……そう!
『エクストリーム☆中間テスト』に、変更しましょう!!」
まぁもちろん、いつもお馴染みの
神魂がほわわわん、と影響を及ぼしたわけですけれど、ともかく黒崎先生の言葉に首を捻る職員はひとりもおらず、提案はあっさりさっくり受諾されてしまったのでした……生徒たちにとっては迷惑極まりないことに。
そんなわけでして、テストのために講堂に集まった生徒たちへ、黒崎先生が直々に語っていただいたお言葉には、
「何だそりゃ!?」
楢木 春彦は、思わずそうツッコミを入れることとなりました。
もちろん生徒たちだって、ざわざわとどよめいております。そりゃあそうです。
「……繰り返します。本日の中間テストは、
エクストリーム・スポーツ形式にて行います。
いかに困難な状況で、派手なパフォーマンスを行いながら問題を解くことができるかが評価の大きなポイントとなりますので、生徒の皆さんは、全力で目立ちながらテストへ取り組んでくださいね!」
どんな問題が出題されるかな、一夜漬けの範囲は当たってるかしらん、なんてあたりに一喜一憂していたところへ、いきなりそんなことを聞かされた日には、そりゃあもう、何だそりゃ!? なわけなのです。
ついでに、
「……あれっ? これだと、僕が目立てないんじゃ……?」
最後にぽつりと漏らした黒崎先生のこんな言葉には、全校生徒が揃って『知らねーよ!』とツッコんだとかなんとか。
周囲を見れば、生徒たちが続々と行動を開始しています……部活のコスチュームに着替え出す人もいれば、何に使うのか丈夫な縄を用意しだす人、すちゃっとマイクを取り出す人も。一目散に駆けていくのは、何か大掛かりなパフォーマンスの準備をするためでしょうか?
「ちっ、やるしかねぇ……!」
けれど幸いなことに、春彦にもいくつか、パフォーマンスに使えそうな特技はありました。こうなったらもう、やるしかない!
今、最高にエクストリームな筆記試験が、幕を開けるのです……!
「さあ、中間テストの始まりだぜ!!」
墨谷幽です、よろしくお願いいたします~。
ガイドへは、楢木 春彦さんにご登場いただきました。ありがとうございました!
(こちらにご参加いただける場合は、上記のシーンに寄らずご自由にアクションをかけて下さって構いませんので!)
このシナリオの概要
今回は、生徒の皆さんも悲喜こもごもといったところでありましょう、二学期中間テストのシナリオです。
日程としては2日目の1限目、科目は『英語』のテスト、ということになります。
ただし、どうやら教職員を含む一部の人々に神魂が影響を与えたらしく、この英語のテストに限っては、『エクストリーム・スポーツ形式』が適用されることになってしまいました。これによりテストは、問題の正否に加えて、『いかに派手・困難・危険な状況に身を置きながら問題を解くか?』が重要視されることになります。
またそのためなら試験会場である講堂を飛び出して、寝子高敷地内であればどこの何を利用しても構わないそうです。
本シナリオにご参加いただいた方は、神魂に影響を受け、『エクストリームにやらなきゃ!』といった気分になっています。
内容は自由ですので、何かしら派手なパフォーマンスでもぶちかましながら、問題を解いてください!
(なお、それ以外の一般生徒さんたちは、講堂でフツウにテストを受けています。シナリオ参加者とは微妙に意識が隔たれているのか、何をしてもどんなに騒いでも、違和感を持たれることは無いので大丈夫。パフォーマンスには何かしら反応してくれたりするかも)
アクションでできること
アクションでは、校内のいくつかの場所の中から1つを選び、エクストリームなパフォーマンスをしながらテストを解いていただきます。どこで何をしていても、試験監督の先生が見ていますので、思い切りどうぞ。
以下の中から、自分のやりたいアクションに合わせて、該当するものをお選びくださいませー。
【1】講堂
本来の試験会場です。多くの生徒はここでフツウに試験を受けています。
座席に机、ステージ、スクリーンなどがあります。席には1階席と2階席があります。
【2】体育館
西側はバスケコート二面分の広い空間。
東側の1Fには体育用具倉庫があり、ボール等の様々な道具が収められています。
東側2Fは卓球場やトレーニングエリアがあります。
【3】校庭
広々としたグラウンドに、陸上のトラックやサッカーゴールなどがあります。
【4】その他の場所
上記以外の場所を指定することもできます。
校舎のどこかや屋上、武道場、プール、購買や食堂などなど、お好きに自由に使ってみてください。
アクションには、
・参加にあたっての心情
(ノリノリで、また神魂かと仕方なく、おろおろと戸惑いながら、など)
・どこで、どんなパフォーマンスをしながら問題を解く?
・英語のテストです。得意? 苦手? 勉強してきた?
といったあたりをお書きいただければ。
(ちなみに、この現象及びそれによって起きた変化(何かモノを壊したとか)は、この科目が終了後に収束し元通りになりますので、後に残るのはテストの答案用紙だけです。
つまり、実際にはパフォーマンスの評価は、テストの点数には何の影響も及ぼしません。あしからず!
でも、点数以外の大切な何かが、そこには残るかもしれません。ほら、思い出とか?)
その他
●参加条件
今回のシナリオは、寝子島高校の生徒さんのみが対象となります。
それ以外の方は、今回はごめんなさい!
●舞台
寝子島高校の敷地内が舞台となります。ちなみにお天気は晴れです。
本来の試験会場は講堂ですが、パフォーマンスのためなら学校内のどこを使用しても構わないそうです。
●NPC
○黒崎 俊介
教頭先生。キレ者の割りにインパクトが薄いことを嘆いています。
一念発起し目立つべく、『エクストリーム☆職務』を敢行。生徒に対抗してきます。
○高野 有紀、泉 竜次、樋口 弥生
試験監督を務める先生方。
また、エクストリームなパフォーマンスを審査して、点数の札(1~10)を上げてくれたりします。
評価基準はそれぞれ異なる上、結構シビアな模様。
●備考や注意点など
※上記に明記されていないNPC、及び今回のシナリオには参加していないPCに関するアクションは基本的に採用できかねますので、申し訳ありませんが、あらかじめご了承くださいませ。
以上になりますー。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております!