寝子島図書館の二階は、一般に開放されている。
図書を閲覧する者、資料をあさる者……さまざまな目的を持つ人々が、そこにはひしめく。
中でも目立つのは、テスト勉強に勤しむ学生たち。
テスト真っ盛りのこの時期、静かな環境を求め、彼らは早くから席をとり、閉館まで勉強に取り組むのだ。
静寂。誰一人、しわぶき一つ立てない。
無言のうちに共有されたマナーが、その場を支配する。
心地よく張りつめた空気が満ちる。
しかし、そうした緊張を破る輩がいた。
「エ~、タヌ夫君、ワカンナイ~、おしえて~♡」
「ウーン、ショウガナイナア……じゃあ、このソビエトを、ボクだとするよ」
「うんうん」
「そしてこのポーランドが、コン子ちゃんだ。二人はとっても仲良しなんだ」
「ラブラブなのねぇ」
「だけど、この仲を邪魔するのがドイツ」
「そんなのヤダ~。お話でも、私たちの邪魔はヤダ~」
「フフ、コン子ちゃん。安心して。ドイツが攻めてきても、このソビエトが守ってあげるからね……」
「ヤ~ン、タヌ夫くん、優しい……」
いらいらいらいら。
図書館職員が注意しにくい、絶妙のボリュームでいちゃつく二人。
不穏な空気が、自習室に充満する。
♪~!!
誰かがマナーにし忘れたらしい。大音響が図書館に響き渡る。
(なんで『猫点』のテーマなのよ……)
いらいらいらいら。
がさごそがさごそ。
誰かが、何かを食べてる音がする。
気を使って食べてくれているのだが、カレーの匂いは半端ではない。
いらいらいらいら。
(もしこの場に、アサルトライフルがあったら……)
(きっと躊躇なく、俺は引き金を引くだろう……)
図書館は静かに使いましょう。
でないと、どうなるかわかんないぞ。
純愛シナリオのつもりでタイトルを付けたけど、あはは、無理。
ぱーすぺです。
図書館で勉強しましょう。中間テストスピンオフ。
もちろん寝子高生以外の参加も歓迎です。
●まったりすごす
寝子島高校の中間テスト3日目の午後です。
テストも半ばを過ぎたあたり。
寝子島図書館でまったり過ごしてください。
開架の量は充実しています。
特設コーナーには寝子島ゆかりの本が置かれています。
あまり騒がしいと、怒られちゃいます。
●特設コーナー
寝子島ゆかりのものが展示されています。
資料閲覧などは、保存目的で禁止されています。
●自習する
2階の自習室は使用可能ですが、場所によっては若干うるさいです。
職員さんに注意していただければ問題ありません。
我慢していらいらするのもよし。
意に介せず、自習に集中するのもよし。
●喫茶室
若干手狭ですが、コーヒーの自動販売機、たばこルームなどがあります。
●小学生読み聞かせコーナー
小学生たちに、大人が紙芝居や本を読み聞かせしてあげます。
地元のボランティアや、劇団員、職員などが行っていますが、
申請すればだれでもわりとやらせてもらえます。
●虫干し
裏庭で古い本の虫干しをしております。