その日、シーサイドタウンのアウトレットモールは何事もない普通の日常の光景そのままであった。
きぃん、となにやら金属音が響いたと思うと、遙か上空から灼熱する赤い塊が落下してくる……。
「何かすごいものが降ってきたよ!」
八葉 るちるがうれしそうに声を上げる。
この日、たまたまアウトレットモールに買い物に来ていた彼女は、まるでSF映画のようなこの展開に恐怖……の前にどきどきとわくわくと目を輝かせた。
るちるがみたそれは、巨大な鉄塊の球体であった。
普通、大気圏から物体が落ちてきたら旧約聖書にあるソドムやゴモラのように周囲は灰燼となるはずだが、なぜか周囲にエネルギーが渦巻き、衝撃を受け止めたように思えた。
「へぇ! 何でできてるんだろう!」
普段は丁寧な口調のるちるだが、今は少し砕けている。
るちるがその鉄塊へと近づいていくと……。
きゅぃぃぃぃぃぃん
がこっ がこっ がこっ がこぉん!
謎の駆動音が響き渡り、まず上の部分が盛り上がるとクロスヘルムのような頭部が出現する。
そして、球体の左右やや上めの部分からゆっくりと肩が、手が生えてくる。
関節をも覆う、プレートメイルのような形状である。
ただし、その手をさらに覆うように何枚かの金属がさらに重なっていく。
そして、ぷしゅぅぅぅという音がして、ゆっくりと足が出現する。
まるで、パイプを二本重ねてそして足をつけた下のようなイメージだ。
さらに、関節部分を数枚の装甲が覆う。
そう、天から降ってきたものが全長20メートルほどのロボットへと変形したのであった。
「……そういえば、ロボットの目的は何ですか?」
素に戻ったるちるの口調がそうつぶやくと同時に、ロボットはパンチをビルにたたき込む。
GUOOOO!
名状しがたいロボットからのうなり声が響き、建物は無残にも破壊された。
しかし、いつの間にかここはビルの建ち並ぶ異空間へとなっており、どうやらアウトレットモールから隔離されたらしい。
「えっ?」
その事実に気づいたルチルは戸惑いの声を上げる。
「つまり、ロボットと戦うのですかー!!!!」
無茶なと思ったときに、テオからの声が響いた。
みなさん鉄人は好きですか? 私は好きです。
今回は、頑張ってその鉄人を倒してください。
以下、テオが説明したことです。
1,今回の舞台
異世界のビル街です。周囲は8.9階建てのビルがオフィス街のように取り巻いています。
ビルの中には何もありません、ただ建物と内部に階段があるだけです。
参考までに、8階建てのワンルームマンションは26メートルほどの高さになります。
特殊な磁場が形成されており、電子機器が使えません。
また、思わぬ効果がでるかもしれませんが……。
2,今回の敵
巨大ロボットです。全長は20メートルほど、某鉄人さんを想起させますが、
関節部分が謎の伸縮可能な装甲で覆われていたり、手の部分がスマートになっています。
今のところ武装は不明ですが、『見た目は強力な火器を搭載しているように見えない』
です。(ただし、本当に見た目なので、真実は不明です)
足は鈍足ですが、背中にバックパックのようなものが搭載されており、
どうやら、空を飛ぶことが出来そうな予感がします。
なお、胸というか胴体は球形です。全身は鈍く黒光りしています。
何で出来ているか?
金属と言えば金属ですが、今までに聞いたことない見たことない謎の金属です。
破片などは回収不可能……な気がしますがやってみて損はないでしょう。
どんな技を使うのか?
今のところはパンチとキックをすることは分かっています。
3,周囲の敵について
今のところ存在はしません。今のところは。
4,どうすればロボットは倒したことになるのか?
テオは二つの方法を示します。
その1,ロボットを完全に破壊すること
その2,ロボット内部のどこかにある核となるエネルギー源を消失させること
空間技などで転移させようとしても、再び戻ってきます。
5,アクションについて
今回は10人で挑んでもらいますのでうまく戦ってくださいね。
倒せなかった場合はこいつをそのまま寝子島に出現させても良いかもしれません。
頑張ってください。