秋の夜長、とはよく言われる言葉である。
秋は日の出から日の入りまでの時間が四季の中で最も短く、
江戸時代の時間の計算方法で計算すると、
夜の時間が四季の中で一番長くなる。
その事から「秋の夜長」と言われるようになったようだ。
「つまり夜更かしには持ってこいの季節という訳だな」
男性口調の白衣の女性がコーヒーを片手に呟いた。
「博士は夏でも遅くまで起きているじゃないですか」
優しげだがどこか野暮ったい印象の青年がノートPCに向かいながら応える。
『私ももっと遅くまで遊びたーい!』
ノートPCから不満気な声がする。
肉声に極めて近い合成音声だ。
画面には少年とも少女ともつかない子どもの3DCGが不満気な表情を浮かべている。
『何で眠らないといけないの?』
「うーん。βは理論上は眠らなくてもいい設計だけど、その日の情報整理とか人間と似た構造になってるらしいからなー」
「うむ。寝る子は育つというものだ」
博士と呼ばれた女性と、青年は苦笑しつつβ――どうも人工知能のようだ――に答える。
『どうして眠たくなるの?』
「え……っと、どうしてでしょう……?」
「ふむ……。人間の場合は知っているが、βはどうなるのだろうね? 比較対象のサンプルも欲しいな」
疑問は実験の種である。
こうして次のような企画が決まった。
■24時間耐久夜更かしバトルロワイヤル!■
眠れない時、アナタはどうしていますか?
きっとそれぞれの安眠法があるはず!
それを使ってライバルたちを眠らせろ!
果たしてアナタは生き残れるか!?
日時:9月×日土曜日18時集合、19時開始、翌朝19時解散
場所:木天蓼大学寝子島キャンパス合宿所○号室
参加賞:色んな安眠法の情報
睡眠は大事……とても大事です。
つづりでございます。
マスターページに書かせて頂きましたがこちらでも。
先日は病に倒れてしまい、代筆となってしまいましたことを、深くお詫び申し上げます。
今後は出来うる限りあのようなことにならないよう体調管理に努める所存です。
誠に申し訳ございませんでした。
さて。
今回のテーマは3大欲求シリーズの最後――睡眠です。
皆様には夜更かしをして頂きます。
眠たくなる方法を持ち寄って頂き、
お互いに試して誰が最後まで起きていられるかを競います。
秘蔵の安眠法をご用意下さい。
注意点として、薬剤など常識的に考えて入手が難しいものなどはご遠慮願います。
とは言え、たった24時間ですので貫徹される方も少なからずいらっしゃると存じます。
むしろここは、どうやって寝落ちるかにこだわったりするのもアリかもしれません。
寝言や寝相など、起きている時とは違った一面をアピール、なんていかがでしょうか?
あるいは逆に、絶対に寝落ちない対策を練るのも面白いかもしれません。
カフェインマシマシコーヒーのような正統派から、目の下に揮発性クリームなどなど。
耐え抜け魔性の睡眠誘導!
睡眠について思うところのある方、哲学したい方、科学したい方は大いに語って下さい。
他の参加者様と絡みやすいように語って頂くとなおGoodだと存じます。
NPCと絡んで頂いてももちろん結構ですが、参加者様同士で絡む方が盛り上がると存じます。
物語の主役は、あくまで皆様です!
「いいや、私はあくまで博士たちと絡むね!」という奇特な方は――それもアリです。
バトルロワイヤルの舞台は木天蓼大学の合宿所の一部屋です。
広さ20畳ほどの畳敷きの部屋に簡易キッチンが備え付けられています。
最低限の家具はあり、日常生活に支障はありません。
持ち込みは基本的に自由とさせて頂きますが、あくまで良識の範囲内でお願い致します。
なお、博士と青年(小森という名前です)は一般人ですので、ろっこんの仕様にはご注意下さい。
その他、アクションの注意点についてはこちらを御覧ください。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
※NPCデータ
・博士(氏名不明)
女性
木天蓼大学理工学部所属
人工知能研究の鬼才
結構いい歳で不健康そうな雰囲気をまとっているが容姿はまあまあ
行動が突飛だが独特の信念を持っている
βを心から愛している
・小森(小森 正:こもり ただし)
男性
木天蓼大学理工学部生
人工知能について学んでいる
優しげなフツメン
常識人でコミュニケーション力高し
博士に振り回されつつもその才能を尊敬している
βは妹のような存在
・β(β:べーた)
性別未分化
推定年齢7歳(小学校2年生程度)
博士の開発した人工知能プログラムだと言われている
ノートPCで表示されるのはごく一部
本体は木天蓼大学が所有するスーパーコンピューター内に存在すると言われている
CGの容姿は中性的で可愛い
コミュニケーション手段
マイク&スピーカーによる音声会話とカメラによる視覚認識及びCGの表情
インターネットとの接続・検索能力があるが、きっかけがないと検索することは少ない
心に強い興味を持っている
博士のことは母親的存在と捉えている
小森のことは観察対象との認識