火の粉が舞う。
暗い夜空を彩るように、炎が踊る。
炎が建物を舐めるように飲み込んでいく姿を見て、男は喉を鳴らした。
興奮か恐怖か、震える手を握る。
遠くに見える煙突も、信号機の光も、いつもと変わらない風景のはずなのに。
ただ、そこに炎があるだけで景色はこんなにも色づくのか。
どれほど見蕩れていたのだろうか、遠くから響くサイレンの音で我に返る。
自分のしたことが恐ろしくてたまらない、何故こんなことをしたのだろう。
自問自答しながら走る。
喉からは荒い呼吸だけが零れた。
――何故だろう、ただの夢、もしくは白昼夢のはずなのに、
その光景が今夜、現実に起こることを知っている。
何もしなければきっと男は行動に移し、そして夢で見た光景が再現されるだろう。
こんにちは。青崎です。
そろそろ乾燥する季節なので、火元の確認はきちんとしておきたいですね。
■舞台
寝子島・旧市街
■目的
吉野三郎(NPC)の放火を未然に防ぐことです。
夢、もしくは白昼夢的に男が放火をしている光景を見てしまいます。
自分が見た光景は、今日確実に起こることだという確信を抱くので、
それを防ぐために奔走して下さい。
■タイムテーブル(PL情報)
19:30~ 散歩に出かけ、火をつけやすそうな空き家を発見
20:00~ しばらく空き家の周りをうろつく
20:30~ 自宅に溜まっていた古新聞を玄関付近に置き、灯油の買出し
21:00~ 帰宅しマッチ箱を探す
21:30~ 自宅のキッチン下の棚からマッチ箱を発見
22:00~ ペットボトルに灯油を移し変える
22:30~ 自宅を出る
23:00~ 散歩中に目をつけていた空き家の周辺に到着
23:30~ 空き家の傍に古新聞を置き、周囲に灯油を巻く
23:45~ 着火
23:50~ サイレンの音に気付いて逃亡
00:20~ 自宅に到着
■出来ること
・放火を防ぐために、吉野の自宅にこっそり忍び込んで古新聞を回収
・吉野の行動を制限するために、適当な会話をして空き家まで辿り着けないようにする
など、放火を防ぐための行動がメインとなります。
■PC情報
・今夜旧市街の空き家に火がつけられる
・火をつけた男は灰色のパーカーにジーンズという格好をした金髪の男性である
・火をつけた男の自宅
以上三点が夢で知りえる情報となります。
調査などをすれば、吉野の行動を知ることも出来るでしょう。
シナリオの都合上、既知設定はお控え下さい。
(男と知り合い、空き家が偶然家の隣、等)
■注意事項
吉野は「火をつける」という行為にとりつかれていますので、
何か行動を防いだとしても代替のもので済ませる場合があります。
例)灯油を移し変えるペットボトルがない→ポリタンクをそのまま持ち歩く、等
■NPC
吉野 三郎(よしの さぶろう)
173cm/20歳男性/フリーター
猫っ毛の金髪、猫背気味。中肉中背。
ふと魔が差して、放火をしようと企む。
人を巻き込むつもりはないらしく、人気のない場所を探している。
放火をしようとした理由は本人にも不明。
ただ、何となく火をつけなければならないと思った、程度の理由。
家は旧市街にある小さなアパートの一階。
男性の一人暮らしらしく散らかっており、探し物には多少時間を要する。
■備考
吉野が火をつけられそうと判断する場所
旧市街・空き家(木造二階建て)
旧市街・倉庫(現在は使われていない、古い木造の倉庫)
旧市街・神社(山に近い場所にある、忘れられかけた社)
下二つは空き家を見つけられない時の、予備の候補だとお考え下さい。