木天蓼大学3年生の牧野 洋太の趣味は夜の散歩と食べ歩きだ。大学進学と同時に都会から寝子島に来た彼は、そろそろ就職活動を始めないといけないので少々憂鬱である。
三日月の夜。シーサイドタウンと旧市街の境目を散歩中。
「ん? あれ、店の看板かな?」
『Magique Raisin』(マジーク・レザン)の看板は見落としそうなサイズでひっそりと自分を主張していた。どうやら営業中らしい。歩みを止めて観察していると大好きな甘いにおいが鼻先をくすぐった。
「お菓子屋みたいだな。入ってみようか」
甘いものは好きだ。女の子みたいだろうか。
「わあ。いらっしゃい~」
洋太が店に入ると、
聖籠 あゆかがにこりと笑って洋太を迎えてくれる。ふんわりとした雰囲気の可愛らしい女性だ。
「ど、どうも」
自分とそう変わらない年の女性に面食らいつつ店をぐるりと見回すと、繊細なチョコレートと飴の細工が目に入る。非日常、という言葉が頭に浮かんだ。
こんにちは、相馬です。
聖籠 あゆかさんと、『Magique Raisin』コミュにご登場いただきました。
今シリーズは「夜」時間のみのご参加となります。
アンティーク関係のアクションは勿論可能です。
お店の詳細については『Magique Raisin』の説明をご覧ください。
◆牧野 洋太
おっとりした性格の青年。木天蓼大学・文学部の学生。
俳句を研究するゼミに入っている。