――問い「心とは何か?」
ある人はこう言った。
「心なんて所詮は本能の産物に過ぎない」
またある人はこう言った。
「いや、心とは本能以上の偉大な何かである」
そしてまた別の誰かがこう言った。
「子どもを育てる以外の方法で、心を生み出すことは可能だろうか?」
それらをじっと聞いていた彼女はこう言った。
「私になら、出来る」
それが、全ての始まり。
寝子島のあちこちで、最近こんな貼り紙を見かける。
水着で「饗宴」―エロスとは何か?―
青い空 白い砂浜 広い海
恋 愛 肉欲 プラトニックラブ……何でもOK
キミの熱い思いを聞かせてくれ!
場所:寝子ヶ浜海岸
主催:木天蓼大学理工学部「人工知能」研究室
「これでいいんですよね? 博士」
「うむ。上出来だ」
紙を看板に貼りつけた大学生風の男が、白衣を着た男口調の女に話しかけた。
「残りたったの100枚だ。頑張れ小森くん」
『小森、頑張ってー!』
博士と呼ばれた白衣の女性、そして彼女が抱えているノートパソコンから声が上がる。
ディスプレイには中性的な子どものCGが浮かんでいる。
「βはいいよね、汗もかかないし自分で歩く必要もないし」
『いいでしょー?』
はあ、と小森はため息をついた。
「……それにしても、なんで海? なんで水着? なんでエロス?」
「エロスという根源的なものを考察せずに、心という複雑なものを捉えられるとでも思っているのかね?」
何を当然なことを、とでも言いたげな博士の言葉に、小森は研究室に置いてあった一冊の本を思い出した。
「どうせプラトンに影響されたんでしょう?」
「ちなみに海と水着は開放的な気分から出る本音を聞きたいからだよ。我々も当然水着だ」
聞いちゃいない。
もういいや、と思いながら小森は次の場所へ歩き出す。
ちなみにプラトンは古代ギリシャの哲学者であり「饗宴」という著書がある。
「ところでキミ、おっぱいは好きかね?」
「セクハラ止めて下さい!」
「かんがえるな! かんじろ!」
……いえ、考えて頂いていいのですが。
みなさま、お初にお目にかかります。
つづりと申します。
どうぞよろしくお願い致します。
今回はエロスについて語って頂きます。
エロスは広い概念です。
哲学などの専門的知識は必ずしも必要ではありません。
恋、愛、肉欲、プラトニックラブ、百合、BLなどなど、
お好きな形で皆様にとってのエロスを語って下さい。
会場は寝子島シーサイドタウンの寝子ヶ浜海岸です。
海の家では軽食もあります。
当日はいい天気で水遊びしたりもできます。
博士、小森、βに絡んで頂いてもOK。
水着着用が義務です。
ファッションにこだわるのもアリ。
真面目に考察?
魂の叫び?
趣味全開?
オリジナリティあふれるアクションをお待ちしております。
かぶるかも、と思ったらこだわりの深さで勝負です。
アクションの注意点については、つづりのマスターページをご一読ください。
「らっかみ!」は18歳以下の方も遊ぶことはお忘れなく。
……でも、限界に挑んでみるのも1つの選択肢ですよね!
※NPCデータ
・博士(氏名不明)
女性
木天蓼大学理工学部所属
人工知能研究の鬼才
結構いい歳で不健康そうな雰囲気をまとっているが容姿はまあまあ
行動が突飛だが独特の信念を持っている
小森のことは優秀なおもちゃとの認識
βを心から愛している
・小森(小森 正:こもり ただし)
男性
木天蓼大学理工学部大学生
人工知能について学んでいる
優しげなフツメン
常識人でコミュニケーション力高し
博士に振り回されつつもその才能を尊敬している
βは妹のような存在
・β(β:べーた)
性別未分化
推定年齢6歳(小学校1年生程度)
博士が開発した人工知能プログラムだと言われている
博士のノートパソコン内で表示されるのはごく一部
本体は木天蓼大学が所有するスーパーコンピューター内に存在すると言われている
CGの容姿は中性的で可愛い
コミュニケーション手段
マイク&スピーカーによる音声会話とカメラによる視覚認識及びCGの表情
インターネットとの接続・検索能力があるが、きっかけがないと検索することは少ない
心に強い興味を持っている
博士を親的存在と捉えている
小森のことは観察対象との認識