じりじりと、蒸し暑さが道場を覆っていく。
　夏･･････。防具が危険になる季節である。
　剣道部の部員たちは、今日は昼から練習に励んでいた。
　そろそろ夕方になるであろう時･･････本日の稽古の終わり時間にその人はやってきた。
「あら？」
　剣道部の顧問である島岡 雪乃は、剣道場に上がってきた人を見て、驚きつつも声をかける。
「こんにちは、今日は最後だけ練習に参加するのかしら？　でも、もうそろそろ終わりよ」


「いえ、スポーツドリンクの差し入れです」
　そう言って、ウォータージャグ（８Ｌほど）を持ってきたのは、剣道部の部長である矢萩 咲である。
　三年生でなり、夏の大会も終わっているので事実上引退をしているのだろう、稽古に混じる日もあれば混じらない日もある。
　そして、ウォータージャグ。
　中にはスポーツ飲料が満載なのだろう。
　ずっしりと重そう揺れていた。
　それも二つ。
「･･････持ちます」
　それに気づいた六条 揚羽がすかさずウオータージャグをもち、運び入れる。
　彼女は、竹刀のささくれを直していたので手が空いていたのだ。
「ありがとう」
　咲はお礼を言いつつ、左足から1歩入り上座に一礼しつつ入る。
「メェェェン！」
「ドォォォォゥウ！」
　ダンっ！　ダンッ！　と威勢のいいかけ声と、踏み込みのたびに小さく揺れる道場。
　ふと、そのような雰囲気に引かれていた咲に、気づいた人がいた。
「やめっ！」


　副部長である伊勢 エリカが合図を出すとピタリと練習は止まり、部員の息づかいだけが聞こえる。
　エリカがかかっている時間を見て、稽古の終了時刻だと確認する。
「本日の顧問の立ち会い稽古はこれで終了となる！　相互の礼！」
　相互の礼をしつつ、ありがとうございましたの声が響く。
　終わった瞬間を見計らい、エリカが号令をかける。
「整列！」
　その言葉に一斉に動き出す部員たち。
　瞬く間に、エリカを先頭にずらりと剣道部員が並ぶ。
　上座には雪乃先生がいて、全員の後ろから咲が見守っている。
「正座して、小手面を取れ！」
　するすると自分たちの防具を部員たちは外していく。
　終わりを見計らうと、次の号令が続く。
「黙想！」
　しんっと道場が静まりかえる。
　咲もそっと、目を閉じ、精神を集中する。
「やめっ！」
　そして、礼が始まる。
「･･････道場に、礼！」
「「「「「ありがとうございました！！！！」」」」
「･･････顧問に、礼！」
「「「「「ありがとうございました！！！！」」」」
「･･････お互いに、礼！」
「「「「ありがとうございました！！！！！」」」」
　礼が終わると、雪乃先生が言う。
「では、本日の顧問立ち会いの稽古はこれで終わりよ。残る人は十分気をつけて稽古をしてね」
　そう言って、道場を出て行った。
「部長！　本日の用件はなんでしょう？」
　雪乃先生が出て行ったあたりで、エリカは咲に声をかける。
「思い出語り、といったところだな」
「･･････えっ？」
　いつもとはほんの少しだけ違う剣道部の稽古後が始まろうとしていた。

担当ゲームマスター

じんの

マスターコメント

サンプルアクション（1）

プレイヤーの目的・意図

１，個人戦の回想のサンプル

キャラクターの目的・理由

みんなが話しているところで、自分の試合を思い出し何がいけなかったのかを周囲に聞いてみる

キャラクターの行動・手段

回想：全国予選三回戦（県大会）　相手：小さいスピードタイプ
結果：二本連続で小手をとられる
推移：試合開始後、裂帛の気合いで相手を押し込めようとするが
素早く踏み込まれ、竹刀を軽くあげたところに小手を取られる
「くそっ」
心の中で悪態をつきつつ、どしりと構えるのは変えないまま
開始直後、相手が連続で攻撃をしようとしてくるが
すかさず払う
「いくぜっ！」
しかし、それは相手の罠だった。
その払いを利用され、くるりっと曲芸のような動きで手者を絡め取られ、巻き上げから、浮いた小手に対して鋭い一撃が
こちらの背が大きいことを逆手に取った作戦だった可能性

「という風な勝負だったのだけど」
「えっ、全面的に俺が悪いって？」
「スポーツドリンクをやけのみしてやるぅぅ！」
そして先輩に怒られる

防具類はきちんとしまって
今日は家に帰るぜ

サンプルアクション（2）

プレイヤーの目的・意図

２，団体戦回想のサンプル　プレイヤーかキャラの目的欄に必ず【先鋒】といったポジションを入れてください

キャラクターの目的・理由

【先鋒】あのとき、先の先の一撃がとれていれば･･････！

キャラクターの行動・手段

GA【団体戦】（団体はなんらかのGAがあると助かりますが、個人でやるばあいはその限りではありません）
回想：全国予選県大会４回戦　相手：工業高校のパワータイプ
推移：相手が巨体のため、先制の一撃をいれようとするが
　　　あっさりと竹刀をすり上げられて、面をとられる
その後、スピードで相手の気を制し、先の先を狙うが、相手にかわされ続け時間切れで終了

「しっ！」
始めの声とともに、一撃を加える……が、ダメっ！
すぅっと合わせるように竹刀をすり上げられ、高速の面が僕を襲った……。
パァンッ！　という音とともに面が一本取られる
「面んあぁぁぁぁりっ！」
しまった！　と思った一瞬が剣道の勝負を分ける　奥深い
「今度こそ……っ！」
その時、相手がふっと笑ったような気がした……
「馬鹿に……してっ！」
思えば、それで心を乱されてしまったのだろう
有効打を与えられないまま時間が経ってしまった

「……完全に僕の負けでした、あの試合」
「今後は、なるべく心が乱されないように……あ、ジュースほしい……てっすいませーんっ！」

サンプルアクション（3）

プレイヤーの目的・意図

３、それ以外　例として、稽古終了後の自主連

キャラクターの目的・理由

皆が試合の話に興じている間に、防具をいったん整備、竹刀を点検してからまた練習

キャラクターの行動・手段

一年生で、大会の機会に恵まれなかったのよっ！（がっ
なのでっ！　練習！　練習っ！　そしてアピール！
寝子高の剣道部を来年こそは、輝かしい栄光に導くため
ひとつっ！　ひとの倍の練習よっ！
ふたつっ！　振りかぶったら一直線っ！
みっつ！　みんなも巻き込みたい！（ボッチ宣言）
明日も進め剣道部！

剣道は靴を揃えて元気よく、お辞儀ができて我慢することよっ！
今回は我慢に相当するわね
とりあえず、素振りを開始！
それぞれ素振りが終わったら、蹲踞をして素振り
「いちっ！　にっ！　さんっ！　たくさんっ！」
数を途中で忘れてしまい数えなおし
「いちっ！　にっ！　のっ！　さんっ！」
なんか、余計に降っている気がするわ……

終わって残っている人がいたらひと勝負しようかしら
（※あるいは、示し合わせて残って勝負するとか）
残ってなかったら、道場を掃除！

今日もありがとうございましたの感謝を！