真夏の暑いさかりのある日、寝子島町役場の町長室。
イベントを企画したり顔を出したりと、遊び好きでフットワークが軽いイメージを住民から持たれている
中沢 リッカルド町長だが、もちろん事務仕事も朝早くからちゃんとやる。
新聞に目を通し、陳情を受け付け、山積みの書類を処理していく。
そんな中、町長は書類の中から町役場あての一通の手紙を見つけた。差出人は、「またたびドルフィンズ 広報部」とある。
「ほう、そういえばそんな季節ですね」
町長はひとりごちた。
またたびドルフィンズとは、プロ野球カントリー・リーグ(略称カ・リーグ)に所属する球団である。本拠地は本土に渡ってすぐのところにあるまたたびスタジアムだが、年に一回、夏に寝子電スタジアムで主催試合を行うのがここ数年の慣例になっている。
「女子サッカーもいいですが、たまにはプロ野球も乙なものですね。特にチアガールとか、マスコットガールとか……」
手紙には、寝子島の住民たちを野球観戦に招待します、というメッセージと共に、内野席の招待券が何枚か入っていた。カードは「ドルフィンズ対タイタンズ」だ。
「無料招待とは、ドルフィンズも粋なことをしますね。島全体に告知して、観戦したい人を募集することにしましょう」
地域密着球団のドルフィンズは寝子島を含め、地元湘南の住民から非常に愛されている。今はちょうど夏休み、しかも全国区の人気を誇るタイタンズとの試合だ。皆喜ぶだろう。しかし―――。
町長は新聞を取って、カ・リーグの今の順位を確認する。
首位を走るのは古豪・タイタンズ。そのあとを西の雄・ジャガーズが追う。3位争いは、手堅い試合運びに定評のあるダイナソーズ、ID野球でブームを起こしたファルコンズ、若手の成長が著しいシャークスの三つ巴。そして、我らがドルフィンズは―――ダントツの、最下位であった。
「昨日もシャークスに負けて、5連敗ですか……気の毒なほどに弱いですね……」
そう、ドルフィンズは弱い。とにかく弱い。ここ数年最下位が定位置だ。投げれば打たれ、打てば凡退し、守ればエラーする。特に首位・タイタンズには毎試合散々にたたきのめされている。そんなダメダメな状態なのになぜか愛される、それがドルフィンズというチームだった。
「寝子島のみんなで応援して、なんとかしてあげたいですね」
町長は手紙を役場の広報室にまわすべく、秘書を呼んだ。
寝子電スタジアムで、プロ野球公式戦が行われます! 本来サッカーと陸上競技のためのスタジアムですが、マウンドや臨時シートを設置して野球も行うことができるのです。思い思いに観戦を楽しみましょう。
観戦するだけでなく、飲食物やグッズの売り子など、スタジアムのアルバイトスタッフとしてシナリオに参加することもできます。
地元からのチアガール、ボールボーイも募集中です! 試合後はファンと選手が交流する時間もあります。
ちなみに、この試合は14時開始のデーゲームです。
さて、アクションに関しては少々お願いがあります。キャラクターの行動だけでなく、試合で「どんなプレーを見てみたいか、どんな選手の活躍に期待するか」がありましたら、それも書いてください。(必須ではないです)みなさんの要望を総合して、物語での試合展開を決めようと思います。
注意して欲しいのは、以下のような要望はNG(叶う保証がない)になることです。
・息詰まる投手戦が見たい……「派手な乱打戦が見たい」という人がいるとバッティングします。
・ドルフィンズに勝ってほしい……「タイタンズに勝ってほしい」という人がいるかも知れないのでこれもご遠慮ください。
可能なのは、以下のようなものです。
・場外ホームランを見てみたい。
・イケメン選手の活躍が見たい。
・三重殺のような珍しいプレーが見たい。
こういったものでしたら、大体みなさんの要望を反映させられると思います。
応援するのはドルフィンズでも、タイタンズでも、中立でも構いません。でも、ケンカはしないで下さいね!