中庭噴水そばの花壇にある伝説の古木「バラバーラ」が開花した。
朝7時半。
教員たちは、東門から構内に入り、北校舎東側の職員玄関へと向かう。
数学担当の
桐島 義弘先生もその一人。
今日もカチリとスーツを着こなし颯爽と歩いている。
少し先に、よれよれの白衣に、櫛を入れたとは思えないボサボサ髪の化学担当・
五十嵐 尚輝先生が、猫背気味に歩いていた。五十嵐先生に追いついた桐島先生は、並んで歩調を合わせながら挨拶をする。
「五十嵐先生おはようございます」
「あぁ、桐島先生おはようございます」
ぼそぼそと挨拶をしながら、五十嵐先生はきょろきょろと辺りを見回す。
チチチ……と、どこかで小鳥のさえずり。
「どうかなさいました?」
「いや、どうも……今日は小鳥が多いですね。鳴き声はするんですけど、姿は見えないなぁ、と思いまして」
――チチチ、チチチ。小鳥の鳴き声。
「本当だ」
桐島先生も首を傾げたその時、唐突に甘い香りが漂ってきた。
職員玄関から中庭の方を見渡すと、噴水の傍らにある古木の一本が炎のように真っ赤に咲き乱れている。
「あれはたしかバラバーラの木……満開ですね」
五十嵐先生が立ち止まる。チチチ、チチチ、と小鳥は鳴き続けている。
それは怪現象を告げる五十嵐先生のろっこんだったのだが。
「五十嵐先生?」
怪訝に思った桐島先生は五十嵐先生を見た。
五十嵐先生は潤んだ瞳でこちらを見つめ返している。その頬は薔薇のように赤く染まっていた。
桐島先生の心臓が跳ねた。彼に触れたくてたまらなくなった。
平静を装いながら五十嵐先生のボサボサの髪に無造作に触れると、
「先生たるもの、もう少しきちっとしたらいかがですか」
と言いながら、二、三度その髪を指で梳く。
さらに赤くなって俯く五十嵐先生。
なんだ? 妙にドキドキする。これは、まさか……
恋!? ――それも、今朝、突然に!?
そのときだ。漂うピンク色の気配を打ち破ったのは、雄叫びを上げ飛びかかってきた
富士山 権蔵――こと、フジコちゃんであった。
「はぁぁぁん! 滾るわ! ぶっちゅううううう~~~!!!」
突き出された熱い粘着質な口唇。
「ぎょええ!」
「うわああ!」
フジコキッスの餌食になりそうになった桐島先生と五十嵐先生は手を取り合って逃げる。
「あらァン。愛の逃避行? それも燃えるわぁぁ!」
舌なめずりするフジコちゃん。
――波乱の一日の幕開けである。
ゲームマスターを務めさせていただきます、笈地 行(おいち あん)です。
……くっ、昨日の影響で長き眠りについていたこのシナリオの封印がついに解かれてしまった……!
◆現状◆
中庭噴水そばの花壇にある伝説の古木「バラバーラ」が開花しました。
この木はもう長いこと花を咲かせたことがありませんでしたが、
この花の香りは少年同士の禁断の恋が実らせるという伝説があります。
バラバーラの花は、バラに似た赤い花で甘い香りがします。
神魂の影響でしょうか、バラバーラの香りを嗅いだ男子は、
何故か目の前にいる男子に恋をしてしまいます!
開花期間はわずか、日没まで。
【PL情報】
効果は
・日没を迎える
・誰かとキスをする(キスする場所は問わない)
どちらかで切れます。
◆男子生徒のみなさんへ◆
プロフィールの性別欄が男なら影響を受けます。
特定の相手とカップルになりたい場合は、【GA】でご指定ください。
それ以外の方は何が起こるかリアクションをお楽しみに……。
禁止事項があればお書きください。(口にキスはNG など)
※バラバーラの効果により、予期せぬカップリングや、三角関係、四角関係が発生したり、
他生徒の邪魔が入ったりする可能性があります。予めご了承ください。
※18禁の熱いアクションを送っていただいても描写できません。
(マスターが個人的に楽しませていただくかもしれませんが……)ご注意ください。
◆女子生徒のみなさんへ◆
プロフィールの性別欄が女なら影響はまったくありません。
見守ったり邪魔したりむふふしたり、三角関係、四角関係になったりお好きにどうぞ。
◆登場NPC◆
富士山 権蔵(フジコちゃん)
バラバーラの影響を受け、
獲物を狩る虎のような目つきで校内をうろつき回っている。
必殺技:フジコハグ、フジコブレス、フジコキッス。
桐島先生と五十嵐先生
二人で愛の逃避行中。(学内にはいます)
※今回リア登場NPCは以上です。
それ以外の先生のBLを楽しみにしてくださっている方すみません! 脳内でお願いします!
さて、バラバーラの引き起こす騒動はいかに……?
ご参加お待ちしております!