部活終わりの
メルヒオール・ハルトマンは、街路樹の幹や電柱の裏などに怪しげなチラシが貼ってあることに気がついた。
「なんでこんな目立たないところにあるんだ? どれどれ……」
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真夏の納涼腕試し大会!~~
夏といえばなんだ! 男といえばなんだ!
夏と男が出会ったらやるこたひとつ、闘いじゃ!
汗を振りまき拳を振りぬき、血肉沸き立て雄の証!
ギラギラ輝く星の下で、男どもが目をギラギラさせて互いを鍛え合う!
これこそ夏ってもんじゃ。
参加資格は一切なし! 子供でもおっさんでも、なんならおなごだって大歓迎じゃ!
腕に自信のあるやつ、待っとるで。
血がたぎるような熱い闘いを見せてくれや!
場所:九夜山特設会場
時間:夜7時
※このイベントは、相手が身体の一部につけたヒットカウンターに攻撃を2回当てれば勝ちという模擬試合です。成績優秀者には商品あり。
※安全のため、防具は全員に支給します。
※受付は午後6時半から行います。
※都合により開始時間が遅れることがあります。ご了承ください。
※その他気になることなどあれば~
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全部読み終える前に、ハルトマンは思わず苦笑してしまった。
「荒々しいように見えて意外ときっちりしてるし……もっと堂々と貼ればいいだろう、変なところで女々しいね」
どうもこんにちは、むょりんです。
夏ということで、一般人の迷惑にならない程度の模擬試合を企画します。
以下は模擬戦の詳細です。上手く勝ち進めるように作戦を立てて挑んでください。
参加資格:不問、老若男女関係なく参加可
場 所:九夜山特設会場
フィールドの端は照明とロープによって区切られています。フィール
ドから出てしばらく経つと強制的に敗退となるので注意して下さい。
フィールドはサッカーのグラウンド2つ分くらい
の広さで、照明のある芝生の広場、森、小川とそ
れにかかる小さな橋などがあります。
試合形式:山の一部をバトルフィールドとし、全員その中で行動、出会った相手
と戦います。勝った人は負けた人の名札(ドッグタグ)を得ます。
成績優秀者には賞品あり。
敗者は山の麓の特設控室で生き残った選手の様子を見ることができま
す。
勝利条件:ある程度の強さの攻撃が当たるとカウントが増えるカウンターを体の
好きな箇所につけて、相手のカウントを2つ取れば勝ち、相手に2回
カウントを取られたら負け。
たとえ相手をノックダウンさせても、カウントが増えていなければ勝
ちとは認められません。
制限時間は2時間ですが、制限時間までに残り人数が1人以下になっ
た場合はそこで終了となります。
誰かが戦っていても制限時間がくれば終了です。
装 備:基本的に素手での闘いになります。ろっこんの使用時に媒体となるも
のは持ち込み可。使い慣れた武器を持ち込む場合はその武器としての
性能(リーチ、威力、利便性など)に応じてハンデを受けることで持
ち込みが許可されます。
また、安全のため防具の装着は必須です。防具は頭、胴、腕、拳、
足、局部に対する衝撃をある程度緩和させます。
防具は軽く、選手の動きを妨げることはありませんが、武器のハンデ
を受ける場合は重量が大幅に増加します。また、目潰し・金的・戦闘
不能にした後の執拗な攻撃などの危険行為を行った場合も同様に重量
が大幅に増加します。
今回のシナリオでは例外的に、ろっこんのレベルやパラメータによって勝てる確率が上がりますが、きちんと戦略を考えれば(例:森のなかに一旦逃げ込み、低木に隠れて不意打ちなど)、能力による補正はほぼありません。
当然ですが、過度に自然破壊する行為は控えるようにしてください。それ以外なら卑怯な作戦はウェルカム!
また、誰かと協力して行動するのも可能です。協力に関してはノータッチなので、協力関係を一方的に解消してもペナルティはありません。
学生から社会人、男性・女性・その中間の人まで、腕試しをしたい人は誰でもこぞって参加しましょう!